先月末に行われた日本ヘビー級タイトルマッチ
藤本vs石田
をネットで観ました。


藤本王者が僅差の判定をモノにしましたが、
いやぁ、石田選手の勝ちですよね。

中盤での公開採点で、石田にアドバンテージがほとんど無くビックリしました。
とはいえ後半も、スタミナ切れながら石田が辛くもポイントを上げたと思いましたが、最終判定は藤本となりました。

ネットでみた動画には、投稿した方の採点も出ていて、概ね同意見で、石田の勝ちとしていました。

まあ、結果は結果です。問題なのは、藤本王者の闘いっぷりです。
おそらく効いたパンチはほとんど無かったでしょう。ナチュラルウェイトの王者として、もっと攻めて欲しかったですね。


一般的に、階級アップすると体格、パワーなどで不利である、というのが通説です。
しかし近年のボクシング界を見渡すと、複数階級制覇の選手が沢山います。
まず第一にチャンピオンが多すぎることが理由として挙げられます。
でも、理由はそれだけなのでしょうか。


私は、ボクシングのルールの変遷も理由の1つだと思います。

ルールの中でも、特に採点基準の変化が大きな要因だと思います。


現代ボクシングでは、各ラウンドがポイントマストで10-9に振り分ける傾向にあります。有効打=ダメージングブローが無い場合でも振り分ける必要があり、となると軽いジャブや、ガードの上への手数が評価されてきます。

階級選択において、体格・パワーを維持しながら体重を下げる、が有効と考えられ、過酷な減量に取り組んでいるわけですが、これは数十年前のボクシングでは有効ですが、現代ボクシングでは必ずしもそうとは言えない気がします。

スピードを維持しながら階級を上げる、というのも選択肢のひとつではないでしょうか。


ダメージングブローを受けないで、スピードと手数で勝負する。


今回の日本ヘビー級タイトルマッチでは、どうだったのでしょうか。


石田選手は、ある程度スピードを維持出来たと思います。

しかし、問題だったのはスタミナの維持だったのではないでしょうか。

ご本人のブログを拝見しましたが、スタミナはきつかったようです。通常体重が90kgあるならまだしも、試合後数週間で80kgまで落ちたようです。普段の体重以上に増量するのは無理があるということでしょうか。

もっと気になるのが、今回の採点が現代ボクシングの採点基準に沿っていなかったのではないか、ということです。

ヒット数も手数も石田選手のほうが上だったと思います。

数十年前の感覚と、現代ポイントマストを融合したような採点内容でした。軽いジャブは評価せず、なんとなくパワーのある藤本選手を有効と判断していました。かといって、藤本選手は、ナチュラルヘビーとしてパワーで押していった訳でもなく、常に後手後手でクリンチの展開が多かったです。


なんとも不思議な判定結果でした。