新年、初ブログです。

ボクシング井上尚弥の激勝は、後でじっくり検証します。

将棋の話。

コンピュータ将棋が猛威をふるい始めて暫く経ちますが、最近は人間プロ棋士がコンピュータになかなか勝てなくなってきました。

ひと昔前は、コンピュータは人間に勝てない、という通説もありましたが、ソフト、ハード共に日進月歩いや秒進分歩で加速度的に進化を遂げてきており、ネット文化の発展にも相まって、電王戦という棋戦まで誕生しました。


故・米長永世棋聖の負けに始まり、コンピュータvs人間5対5では人間が負け越し、コンピュータ恐るべしを印象付けられました。


インターネットは普及し始めたころ、プロ棋士かパソコンを使って研究していると、けしからん、という風潮がありましたが、当時の使い方は、棋譜の閲覧と詰め将棋くらいで、戦術そのものは人間が研究していたのが実際でしたが、現在は手筋そのものの研究にコンピュータ将棋を利用している棋士も増えてきたらしいです。


第3回の電王戦にて人間が負け越した際、コンピュータ将棋サイドの方が、もう人間はコンピュータに勝てないという趣旨の発言をしたそうで、それに対し森下九段(負けてしまった)が反論し、時間や体力などが要因のヒューマンエラーで負けてしまうが棋力そのものは人間の方がまだ上である、と持論を展開しました。

そこで、森下九段は、思考そのもので対決するべく新たなルールを提案しました。

※継ぎ盤(検討用の盤と駒)の使用可、持ち時間終了後は一手10分。


ツツカナvs森下九段のリベンジマッチは、2014年大晦日にセットされました。



森下九段の大勝負、私はライブ観戦ではありませんでしたがニコニコで観戦しました。


序盤の慎重なしのぎあいから、徐々に森内九段がポイントを稼ぎ、形勢は森下九段が優勢となりましたが詰みまではいかず、ツツカナも粘り続け、時間だけが経過していく(人間だけが)体力勝負に・・・。


そして水入りに・・・。


人間同士での対局であれば、ツツカナの投了が妥当ですが、コンピュータは粘り続けました。


運営サイドの想定の範囲外の展開になり、対応に苦しんだところですが、指し掛けかの局面から後日再開することとなりましたが、このまま続けても時間が掛かるだけで、森下九段の勝ちはかくじつでしょう。


森下九段は”これは、ふつうに考えれば先手(ツツカナ)の投了でしょう”のような感想をコメントしていました。


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年は明けて、新年最初のNHK杯テレビ放送は、永世名人の資格を持つ”光速の寄せ”谷川九段と、若手のホープ金井五段の対局でした。


谷川九段が仕掛けたが金井五段がうまく指しまわし寄せきれず、さあこれから長期戦になるか、という場面で谷川九段が投了しました。

金井五段優勢の場面でしたが、粘れば逆転の可能性もある局面での投了、谷川九段の将棋に対する感覚でしょう。


きしくも、解説は森下九段でした。

「ここで投げるのは谷川先生しかいない」



将棋に限らず、人間vs人間で競う勝負は、単純な勝敗以外に心の掛け合いが存在します。

コンピュータvs人間に、今後、何を求めていくのでしょうか。


コンピュータ将棋が強くなったこと、これからも強くなっていくこと、そして人間もまだまだ捨てたもんじゃないこと、いろいろ感じた年末年始でした。