長く更新さぼっていました。なにしろ、仕事とかで、落ち込んでいたもんですから。ダイビングにも行けず。

でもこのままでは、気持ちがさらに落ち込むので、かなり前に約束しながら、これもさぼっていた「過去の旅行記」

を書いて行きたいと思います。

1993年と言えば、おいらは離島の担当をしていました。と言っても仕事場は鹿児島市内であり、出張で年に何

回か行くだけでしたが。

1993年の職員旅行は沖縄。人生初の沖縄です。

職員旅行の前においらは仕事で沖永良部島に出張していました。目的はCM撮影。

これも人生初のCM出演です。

なんとおいらが、日立の「世界ふしぎ発見」の中の日立のCMに出るのです。

離島の方々の商品注文に必要な端末機が日立製品であり、家庭の電話機から簡単に商品注文ができるよう

になったので、日立の技術の素晴らしさをアピールするというCMに出ることになったのです。

沖永良部島は沖縄からわずか60KMの距離にありますが、鹿児島からは540KMくらい離れているのです。

それにしてもCM撮影がこんなに大変とは思いませんでした。

まずはCMの概要を示す絵コンテという、4コマ漫画を作ります。

それに沿って、入念なロケが行われるのです。

スタッフはおいらの他に、CM政策に携わる電通(有名ですね)の社員、そしてクライアントの日立製作所の社員、

実際に撮影するCM撮影の会社(電通の下請けになります)。総勢15名ほどです。

ロケは絵コンテに沿って、丸1日沖永良部島で行われ、必要に応じて絵コンテは書き直されます。

最初に描いたイメージと実際が違ったりするからです。例えば、絵コンテでは島の港に船が入港した様子が描か

れていたのに、入港した船があまりにも大きすぎて、イメージに合わなかったということがありました。

小さな島ですから、船は小型船をイメージしたのです。でも沖永良部島に入港する船は奄美から沖縄を結ぶ、重

大な物流船なので、かなりでかいのです。(鹿児島から奄美大島などすべての島を経由する)

そこで急きょ変更。船のシーンはカットされ、漁船で沖永良部島に近づいていくシーンに変更されました。

これも漁船をチャーターすることになります。

さて、撮影地が決まるのに丸1日。撮影はまた別な日になります。

この日は日帰りで鹿児島に帰り、別な日に沖永良部島に入り、撮影されます。

漁船等のシーンは別途撮影され、メインは家族がわいわい言いながら商品を端末機で注文するシーンです。

撮影場所はおいらの会社のお客さんに依頼します。

おいらはその家庭のお父さん役となりました。カメラマンが入念に構図を作成し、その指示に沿って動きます。

おいらが荷物を運ぶシーンもありました。

ヘアメークさんもいて、おいらの髪をセットします。

撮影にも丸1日かかりました。

CMはわずか15秒です。テレビCMは長いのもありますが、大抵は15秒。

その撮影には映画並みの労力がかかるのです。企業の業績に直接影響するので、当然ですが。

丸2日、15名のスタッフを抱えたCM撮影は、日立「世界ふしぎ発見」で1993年の後半、半年ほど放映されまし

た。当然おいらはほんの一瞬しか映っていませんでしたが(笑)

わずか15秒ですから、しかたありませんね。

さて、CM撮影が終わったら、とんでもない事態が発生しました。なんと台風が発生したのです。

飛行機も船も欠航です。

ここで丸2日缶詰になります。

旅館の中で1日中、ゲームをして過ごすことになりました。

そして飛行機はとれずに、船でまる18時間かけて、鹿児島に帰ることになりました。

おいらは日立製作所といっしょで、お客さんの立場。初めて船の特等船室に案内されました。

そこはまるで、ホテルのような部屋。いつもは2等船室で、雑魚寝でしたから、夢のようです。

台風後の荒波はすごくて、ジェットコースターに乗っているようでした。

沖永良部島を午後2時に出て、鹿児島に着くのは翌日の朝8時です。

沖縄に出発するのは、翌日の朝9時過ぎ。

果たして間に合うのか?