かつてエミシの村でアシタカと生活を共にしていたカヤは言った。

「兄様、お昼休みに屋上で会えませんか?」

アシタカを呼び出したのには理由があった。

アシタカが村から追放された晩にカヤは自分の大切にしていた玉の小刀を旅立つアシタカに贈った。当時村では乙女が変わらぬ心の証として玉の小刀を異性に贈る風習があったからだ。高校で久しぶりの再会を果たしたカヤはアシタカの気持ちを確かめる必要があった。

カヤ:昔私が兄様に渡した石、まだ持ってますか?

アシタカ:え?…そんなことあったかな。

カヤ:玉の小刀です。

アシタカ:あぁー、あったねそういうの。

カヤ:あの晩、私達がなんて話したか覚えてます?私が「(玉の小刀に)お守りするよう息を吹き込みました。いつもいつもカヤは兄様を想っています」そしたら兄様は「私もずっとカヤを想おう」って言ってくれたんです。私、あの時の兄様の言葉がすごい嬉しくて。

アシタカ:あぁー、そう言えばなんか言いよったね。

カヤ:まだ持っていてくれてます?

アシタカ:いや、サンー。

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