当日のプログラム


 9月2日はミューザ川崎へ。原田慶太楼指揮東京交響楽団によるオペラ名曲集。森麻季、森谷真理(Sp)、大西宇宙(Br)の今をときめく歌手による極上のプログラム。客席の前の方も利用され、お三方の歌と共に演技も楽しむことが出来ました。

 この日の白眉は、レオンカヴァルロのパリアッチからの、ネッダとシルヴィオの二重唱(森谷、大西)とヴェルディのトラヴィアタからのヴィオレッタとジェルモンの二重唱(森、大西)でした。前者はまるでこの曲がオペラの最大の聴き物であるかのような充実したものでした。唯一の愛の二重唱であることは確かです。いい意味でお二人の若さが魅力的でした。ヴェルディの方は屈指の名曲であることを改めて強く感じました。次々に現れる旋律の美しいこと!大西さんの力強い美声と、麻季さん情感豊かでの儚さを感じさせる歌と演技が絡み合い、またオーケストラのドラマティックなテンポ感と響きも魅力的でした。

 その他ではバーンスタイン/キャンディードのクネゴンデのアリアで森谷さんの演技と素晴らしいコロラトゥーラが完璧でした。

 ベルリーニ/ノルマからのノルマとアダルジーザの二重唱もとても美しかったですが、欲を言えばカヴァレッタも歌って欲しかったです。お二人共ソプラノなので、Fdurで歌われていました。因みに、麻季さんがノルマのパートを歌われていました。逆も成り立つかも!

 アンコールはこうもりから第1幕の三重唱!この曲があったかと、とても嬉しかったです。ここでは麻季さんがアデーレ、真理さんがロザリンデでした。

 最後に、慶太楼さんのオペラをもっと聴きたいなと思いました。オペラのセンスに溢れていて素晴らしかったです。三人の歌手の皆さんが出演されるオペラも見続けていきます。


カーテンコールより


オケは、時代も国も異なる数々の曲を様式感溢れる演奏で魅了しました。一曲だけ(トラヴィアタの二重唱)だけのために、チンバッソを用いていました!