アダム・スミス「国富論」(下巻)で印象に残った一文。
『(アジアとアメリカの)発見の時期にたまたま、ヨーロッパ人は圧倒的に強い力をもっていたため、遠方の国で、何の処罰を受けることなく、正義にもとる行動をあらゆる種類にわたってとることができた。おそらくは今後、これらの国の住民はもっと強くなり、あるいはヨーロッパ人の力が弱まって、世界各地の住民が対等の勇気と力をもつようになると思われる。(下巻214頁)』
自由貿易の効用を説く中で出てきた一文なのだが、236年前のヨーロッパ人がアジアやアメリカの先住民に酷いことをしたとちゃんと認識していたことにちょっと驚いた。アダム・スミスが進んでいただけかもしれないが、当時のヨーロッパ人のこういう発言にはとても新鮮な印象を受けた。
とはいえ、その後ヨーロッパはアジアの植民地化をさらに容赦なく進めるし、アダム・スミスが論じたようにアジアが「もっと強くなり、」ヨーロッパを初めて打倒するには、129年後のわが国日本の日露戦争の勝利までかかっているからとても壮大な話だ。