内線作戦にせよ外線作戦にせよ戦略レベルでの機動は、会戦での数的優位を作り出すための過程にすぎず、会戦での敵野戦軍の撃滅こそが勝利を決定づけるというのがナポレオン、ジョミニ、マハンの系譜と言える。
これに対してリデルハート戦略論では、会戦は戦術レベルでの勝ち負けにすぎないと簡単に片付けられている。むしろ会戦に至るまでの戦略レベルでの間接アプローチをいかに巧みに取りえたかで勝敗はすでに決しているような書きぶりである。その証拠に会戦での戦闘経過はほとんど論じていない。
では、ザマの戦いでスキピオではなくハンニバルが勝利していたら、それは単なる戦術レベルでの勝利で済む話なのだろうか?リデルハート戦略論を再読していて現時点で持っている問いである。