クラウゼヴィッツ戦争論は「防御(第6部)→攻撃(第7部)」の順序で論を進める。これはわかりやすい。平野、山岳、河川等の客観的条件下で採りうる防御手段を理解した後に、これに対して攻撃側としてどう攻略するかという思考に自然となるからである。逆に「攻撃→防御」の順で論ずると、あたかも攻撃側は自由自在に攻撃方法を選べて、それに対して防御側が常に受身で対応するといったような勘違いを起こしかねない。しかし、攻撃側が自由自在に攻撃方法を選べるのは圧倒的戦力を有するという稀な場合に限られ、常にそのように恵まれた条件下で攻撃側が戦えるわけではない以上、一見、逆ではないかと思えるクラウゼヴィッツ戦争論の論の進め方のほうが現実的だ。