昨年、ナポレオ ンの第一次イタリア遠征についての洋書数冊を集中的に読んでいろいろと考えた結果、「各個撃破というのは、多方面から自軍を包囲しようとする敵に対する守備的な戦い方。だから1796-97年の第一次イタリア遠征や1814年のフランス戦役では綺麗に決まった。 」という仮説を立て、実は「ナポレオンは攻撃よりも守備が得意だったのではないか」というさらなる仮説を立てたが、今、クラウゼヴィッツ戦争論の中で「ナポレオンは・・・求心的攻撃に対する防御の達人」という一文を見つけた。どうやら自分の仮説は正しかったらしい。とはいえこの結論はナポレオンが攻撃よりも守備が得意だったというよりもクラウゼヴィッツの主張する「攻撃に対する防御の優位性」という命題の具体例にすぎないのかもしれない。なぜならナポレオンはウルム、イエナ、ワグラムのように攻撃においても他の凡庸な将軍よりも相対的に優れた軍事的才能を発揮したのだから。さらに深く考えてみるとしよう。