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名将に学ぶ 世界の戦術

古今東西の戦いにおける偉大な指揮官たちの判断や行動を追体験することにより、戦いに勝つための原理や原則を具体的に理解できるようになっています。
世界の戦史における勝敗の決定的瞬間を解明することを目的に、戦術の観点から戦いを解説。

第1章 戦術とは何か(人間は「戦う存在」;戦略・戦術・戦法 ほか)
第2章 戦史に見る攻撃活動(遭遇戦における「先手必勝」―山崎の合戦;遭遇戦において両翼を包囲―摺上原の合戦 ほか)
第3章 戦史に見る防御行動(永久築城による防御1―ダラの戦い;永久築城による防御2―西南の役 熊本籠城 ほか)
第4章 戦史に見る後退行動・遅滞行動(複合行動)(領民を擁した状態での後退行動―長坂の戦い;敵の圧迫下での後退行動―ダンケルクの撤退 ほか)
第5章 戦史に見る奇襲・急襲・強襲(夜間における挺進奇襲攻撃―大原合戦(筑後川の戦い)
新兵器と新戦法による奇襲―ヘイスティングスの戦い ほか)

戦略論の本は概して「戦略は総合的なアート」であるという結論に最終的に落ち着いてしまい、理論と実践との間に「方法論」が架橋されないままのことが多い。その点、戦術というのは具体的で幾何学的な要素が強いので、実際の戦史ではこうであったけど、仮にこうすればどうなったであろうかという仮説の検証が行いやすい。哲学的なクラウゼヴィッツよりもジョミニの著作が世界中の士官学校で読まれたのもそうした理由だろう。

日本人は戦略的思考が苦手とか言われるけど、それ以前にそもそも、実際の戦場で勝利しないとお話にならないので、戦術や戦史の勉強は決して軽く考えてはいけないだろう。

本書は古今東西の戦史をバランスよく取り上げているので戦史入門になると思う。
また、第1章の「戦術とは何か」の解説は、コンパクトながら秀逸だと思う。