
キーストーン戦略
従来の経営戦略論の外部環境とされてきた「産業(構造)」や「市場」に対して、本書では企業戦略の外部環境を企業の内外がシームレスに結びついた「ビジネスネットワーク」あるいは「ビジネス・エコシステム」(ビジネス生態系)というフレームから、戦略パターンを提示する。
健全な「ビジネス・エコシステム」は、「キーストーン」がシステムの安定的なプラットフォームを提供し、それを利用する「ニッチ・プレイヤー」が新たな価値創出に多大な貢献をし、新たなイノベーションが生まれ生態系として進化して行く。その結果、「キーストーン」も価値(利益)を獲得する。
これに対して「支配者」は、「ニッチ・プレイヤー」を叩き潰すので、長期的には「ビジネス・エコシステム」が衰退してしまう。「ハブの領主」に至っては、単に奪うだけであり「ビジネス・エコシステム」は崩壊する。
現在は、「ビジネス・エコシステム」間の競争が起こっており、
前者の「キーストーン戦略」をとるべきであるという。
前者の「キーストーン戦略」をとるべきであるという。
企業にとって外部環境とされてきたものを、その企業もその一部である、全体のシステムとして考えたうえで、システム全体として成長していれば、その企業も成長していけるという、言われてみればその通りな気がする戦略論。。。全体のシステム中で自分のことを考えましょうという、くだりよりも、外部環境を、自らがコントロール可能は言い過ぎとして、自らが一定の影響力を与えることができる、ネットワークの一部と考えましょう、というくだりに感銘を受けた。
ただ疑問に思った点が2つ。
1)そもそも、キーストーンになるにはどうすればいいんだ?
2)実証として、マイクロソフトの成功例の引用が多いがどこまで一般化できるんだ?
1)そもそも、キーストーンになるにはどうすればいいんだ?
2)実証として、マイクロソフトの成功例の引用が多いがどこまで一般化できるんだ?
キーストーン
定義エコシステム全体の健全性を積極的に改善し、その結果、自社の持続的なパフォーマンスにも便益を享受する。
存在
影響力は大きいが、物理的な存在感は一般的に小さい。比較的少数のノードのみを占有する。
価値創出
価値創出の結果の大半をネットワークに残しておく。自社内で創出した価値も広く共有する。
価値獲得
ネットワーク全体で価値を共有する。特定の領域では、価値の獲得と共有のバランスをとる。
主な焦点と課題
プラットフォームを創出し、ネットワークにおける問題の解決方法を共有する。重要な課題は価値の獲得を共有のバランスをとりながら、価値創出を持続させること。その領域を選択して占有するかという決定も、重要な課題である。
支配者
定義垂直的あるいは水平的に統合し、ネットワークの大部分をコントロールする。
存在
物理的な存在感が大きい。大半のノードを占有する。
価値創出
価値創出の活動の大半を単独で行う。
価値獲得
価値の大半を自社のみで独占する。
主な焦点と課題
コントロールと支配権を追求する。ネットワークが何を行うかを決定し、直接指示する。
ハブの領主
定義ネットワークをコントロールはしないが、できるだけ多くの価値を横奪する。
存在
物理的な存在感は小さい。ごく少数のノードのみを占有する。
価値創出
価値創出はネットワークの他のメンバーに依存する。
価値獲得
価値の大半を自社のみで独占する。
主な焦点と課題
根本的に整合性のない戦略。領主は価値の源泉としてネットワークに依存しながらも、ネットワークをコントロールすることを拒否する。領主は同時に、価値の大半を横奪しており、自らの存在をリスクにさらしている。
ニッチ・プレイヤー
定義自社をネットワークの他の会社と差別化するための特殊な能力を開発する。
存在
個々にはきわめて小規模な物理的存在感。しかしニッチのかたまりとしてはエコシステムの多くの拠点を占める。
価値創出
健全なエコシステムの価値の大半を集合的に創出する。
価値獲得
自ら創出した価値を獲得する。
主な焦点と課題
キーストーンによって提供されるサービスを利用しながら、自らが能力を有するあるいは開発できる領域に特化する。