『フラット化する世界』(トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳 日本経済新聞社)を読みました。

アメリカでベストセラーになったそうですが、
内容は、アメリカ帝国の一極支配に脅威を及ぼす
「BRICs」脅威論のような気がします。

とはいえ、3度ピュリツァー賞を受賞した著者の
ジャーナリストとしての行動力と取材力には凄いものがあります。
それが反映された、上巻の「世界をフラット化した10の力」は、
読み物としてもかなり面白いです。
サマリーとして重宝しそうです。

フラット化の要因1 ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代
フラット化の要因2 インターネットの普及と、接続の新時代
フラット化の要因3 共同作業を可能にした新しいソフトウェア
フラット化の要因4 アップローディング:コミュニティの力を利用する
フラット化の要因5 アウトソーシング:Y2Kとインドの目覚め
フラット化の要因6 オフショアリング:中国のWTO加盟
フラット化の要因7 サプライチェーン:ウォルマートはなぜ強いのか
フラット化の要因8 インソーシング:UPSの新しいビジネス
フラット化の要因9 インフォーミング:知りたいことはグーグルに聞け
フラット化の要因10 ステロイド:新テクノロジーがさらに加速する

これらの要因によって国境を越えた「共同作業」や「革新」が行われ、
例えばBRICsに雇用を奪取されるので、アメリカ、日本、ヨーロッパの先進国は、
フラット化した社会に対応できる「新ミドルクラス」を創出しなければならない。
そのためには「教育」が大切だと述べます。これが下巻の内容でした。

BRICs以外のアフリカ、ユーラシアの後進国への言及はあまりないですし、
また、経済的、大衆文化的にフラット化は進展しても、政治・宗教という最もやっかいな部分は
どうなるのかについてもあまり言及がありません。
まだ未知の領域ということでしょう。

ちなみに、アメリカにとってのインドは、
日本にとっては、中国、とくに日本語のできる人の多い、
大連だそうです。