昔から、意味のよく分からなかった民法の条文の一つに166条2項があります。
『第166条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2 前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。』
具体的にどういう状況だ?という按配です。
我妻民法講義「民法総則」P.483頁には説明があります。
なんとなく分かるのですが腑に落ちたという感じがしません。
昔、注釈民法で調べたことがありますが、我妻民法講義の引きなおしで、
やはり腑に落ちたという感じがしませんでした。
最近の基本書では条文を引用して、「取得時効と消滅時効は別制度」
というこの条文の趣旨を説明して具体例の説明は特にありません。
ところが、講義風の民法案内「民法総則」に分かりやすい説明がありました。
『諸君が大学を卒業したら叔父さんAからもらえることになっている物でも、第三者Bが、所有者としてこれを占有していれば、取得時効が完成する。そして、諸君の請求権は、消滅する。Bは、なんらの負担のない所有権を取得するからである。諸君はやきもきするだろうが、卒業という停止条件は、まだ成就していないから、その物をよこせと請求することはできない。もちろん、諸君のこの請求権は、消滅時効にはかからない。停止条件が成就しない限り、「権利を行使することができる時」にはならないからである(166条1項)。しかし、自分の権利が消滅時効にかからなくとも、他人の取得時効が完成し、その反射的効果として当方の請求権が消滅したのでは、何にもならない。そこで諸君は、Bから、「卒業すればあなたの物になることを承認する」という一礼をもらって、取得時効の完成を中断する、という権利を与えられる。これが166条2項の規定だ、と説明される。』(民法案内2民法総則、我妻榮著、勁草書房より引用)
なんだ、こんな簡単なことかと納得しました。
しかし、よくよく考えてみるとBの取得時効10年or20年が経過する前に、
4~5年で卒業するから停止条件も成就するだろと思っていたら、
我妻博士もそのことには気付いておられてました(当たり前ですが)。
で、『この規定の働く実例を考えることは、むずかしい。』と言い切ってます。
その後も、動産の場合、登記済不動産の場合、未登記不動産の場合について、
この規定が活躍する場合を、民法案内「民法総則」の中で模索されてますが、あまりないみたいです。
なんか人騒がせな条文ですが、我妻民法講義「民法総則」や通常の基本書では大して説明されていない
この166条2項について、講義風の民法案内「民法総則」ではやけに詳しく扱ってましたから、
自分と同じように変に悩んだ輩が多く我妻博士に質問した輩が多かったということでしょうか。
凄い切れ者は、条文だけ見て瞬時に理解するのでしょうが、
悩んだ輩が多かったということにしときました(笑)。
『第166条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2 前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。』
具体的にどういう状況だ?という按配です。
我妻民法講義「民法総則」P.483頁には説明があります。
なんとなく分かるのですが腑に落ちたという感じがしません。
昔、注釈民法で調べたことがありますが、我妻民法講義の引きなおしで、
やはり腑に落ちたという感じがしませんでした。
最近の基本書では条文を引用して、「取得時効と消滅時効は別制度」
というこの条文の趣旨を説明して具体例の説明は特にありません。
ところが、講義風の民法案内「民法総則」に分かりやすい説明がありました。
『諸君が大学を卒業したら叔父さんAからもらえることになっている物でも、第三者Bが、所有者としてこれを占有していれば、取得時効が完成する。そして、諸君の請求権は、消滅する。Bは、なんらの負担のない所有権を取得するからである。諸君はやきもきするだろうが、卒業という停止条件は、まだ成就していないから、その物をよこせと請求することはできない。もちろん、諸君のこの請求権は、消滅時効にはかからない。停止条件が成就しない限り、「権利を行使することができる時」にはならないからである(166条1項)。しかし、自分の権利が消滅時効にかからなくとも、他人の取得時効が完成し、その反射的効果として当方の請求権が消滅したのでは、何にもならない。そこで諸君は、Bから、「卒業すればあなたの物になることを承認する」という一礼をもらって、取得時効の完成を中断する、という権利を与えられる。これが166条2項の規定だ、と説明される。』(民法案内2民法総則、我妻榮著、勁草書房より引用)
なんだ、こんな簡単なことかと納得しました。
しかし、よくよく考えてみるとBの取得時効10年or20年が経過する前に、
4~5年で卒業するから停止条件も成就するだろと思っていたら、
我妻博士もそのことには気付いておられてました(当たり前ですが)。
で、『この規定の働く実例を考えることは、むずかしい。』と言い切ってます。
その後も、動産の場合、登記済不動産の場合、未登記不動産の場合について、
この規定が活躍する場合を、民法案内「民法総則」の中で模索されてますが、あまりないみたいです。
なんか人騒がせな条文ですが、我妻民法講義「民法総則」や通常の基本書では大して説明されていない
この166条2項について、講義風の民法案内「民法総則」ではやけに詳しく扱ってましたから、
自分と同じように変に悩んだ輩が多く我妻博士に質問した輩が多かったということでしょうか。
凄い切れ者は、条文だけ見て瞬時に理解するのでしょうが、
悩んだ輩が多かったということにしときました(笑)。