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『察檻牽后,修陵眛釗▲ΕД襯ンゲトリクスは会議を催し、この戦争を自分の必要からではなくて、一同の自由のためにやった、運命には譲らなければならないから、自分が死んでローマ軍に償うか、生きたままローマ軍に引き渡すか、いずれにしても自分の一身を皆にささげる、と言った。これについて使節がカエサルのところへ出された。カエサルは武器を引き渡して有力者を差し出せと命じた。カエサルは陣地前の保塁に坐り、敵の指揮者はそこへ出された。ウェルキンゲトリクスも引き渡されて武器も投げ棄てられた。ハェドゥイー族とアルウェルニー族を別として他の捕虜は全軍に一人一名ずつ戦利品として分けた。ハェドゥイー族とアルウェルニー族の捕虜は手元においた。その人々の努力で或いは部族の忠誠を取りもどせるかもしれないと思ったからである。』(「ガリア戦記」カエサル著・近山金次訳・岩波書店より引用)

「ガリア戦記」です。読了しました。
これで高校生のときから含めて30回目くらいの読了です。
100回以上は読んでる「ナポレオン言行録」(岩波書店)
についで繰り返し読んでいる本です。
高校生当時は、塩野七生さんの「ローマ人の物語」も刊行されておらず、
現在のようにカエサルもメジャーではありませんでした。
岩波文庫掲載のガリアの地図をA3サイズにコピーして部族名を確認しながら
読みました。おかげでローマ軍の戦略的機動の軌跡はすっかり頭に入りました。
現在では、塩野七生さんの「ローマ人の物語」に分かりやすい地図が
掲載されています。

以下は、「ガリア戦記」についての自分の読書ノートです。

『カエサルの戦争術を学べる本。

ガリア地方(南北約965km、東西約935km)を、3万前後の軍で征服したカエサルの戦争術を学べる。迅速な機動・兵力集中・各個撃破・政治力の活用・補給線の確保によって広大な地域をいかに征服するかの事実の総合的記録であり、地図上で地名・日時を押さえながら、軍をどのくらいの速度で移動させ、その意図は何だったか、そのためには何が必要だったか、技術的な限界はどこまであったかなどを知ることができる。

カエサルは、軍を迅速に移動させ兵力集中を実現し、各部族を各個撃破した。各個撃破するためには、敵部族の兵力集中を防止しなければならないが、カエサルは、それを1つには副官ラビエヌス軍による牽制、1つにはナポレオンが言うところの自軍の評判すなわち政治力による牽制によって実現した。

そうして、戦役初期には、カエサルが淡々と各部族を征服していく様が記録されている。そして、戦役中期には、ゲルマン地方・ブリタニア地方へも遠征し戦線を拡大していく様が記録されている。そして、戦役後期には、ガリア側にウェリキンゲトリクスという指導者が現れ、ガリア部族の意志統一・ローマ軍の補給線への攻撃・焦土作戦によって、カエサルを苦しめるのであるが、アレシアの戦いでカエサルが勝利する様が記録されている。

戦闘レベル・戦術レベルの知識は、近山金次氏の(注)・国原吉之助氏の(注)・塩野七生氏の著作によって知ることができる。カエサルが、ガリア戦役と同時に遂行した政治的野心の実現は、長谷川博隆氏、塩野七生氏の著作によって知ることができる。これらによって、カエサルが下した個々の決断の前提条件・背景がより立体的に把握できる。』