本屋で久々に法律書のコーナーに足を運びました。

刑法の「因果関係論」は、通説の「相当因果関係論」が批判されてから、
「客観的帰属論」が注目されてます。具体論としてどのように考えるかの好例が
購入した「アクチュアル刑法総論」(弘文堂)にありました。以下、その「引用」です。

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「牧場を経営する行為者は、家畜が逃げて周辺住民に危害を加えないよう、
1.5メートル以上の柵を設ける注意義務を負っていた。しかし行為者は経済的な理由から
その義務に違反し、1メートルの柵しか設けなかった。ある日、子供が柵を乗り越えて
牧場内に入り、家畜に噛まれて傷害を負った。かりに法定の1.5メートル以上の柵を設けて
いれば、子供はそれを乗り越えられなかったであろう。」
 
 この事例では行為者が、1.5メートル以上の柵を設けていさえいれば、子供は傷害を負わなかった
であろうから、条件関係は肯定される。また子供が柵を乗り越えて牧場で遊ぼうとすることが、まあ
ありうる限り相当因果関係(相当性)も肯定される。しかし客観的帰属論は次のような刑事政策的考慮から
、帰責を否定すべきと主張する。すなわちここで問題となっている注意義務の目的は、あくまで
「家畜の逃走防止」であって、「子供の侵入防止」ではないのである(注意規範保護目的理論)。
(弘文堂)「アクチュアル刑法総論」(P.104)

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なるほど、面白そうです。「客観的帰属論」の山中敬一先生の本も読んでみようかな。

また、立ち読みした山口厚先生の「刑法」(有斐閣)では、「相当因果関係論」
の立場から、判例を整理する規範が立てられてました。「問題探求」「刑法総論」を
経たすっきりした規範でした。将来的には、「客観的帰属論」も取り込んだ形で、
「相当因果関係論」が進化し、かつ、裁判員制度も踏まえてより使い易い規範へと
進化していくのでしょう。まだ先の話だろうな。

読みたい本ばかり増えてきますが、仕事とのかねあいで、
読書法にも何らかの工夫を考えなくてはならない環境になりつつあります。

イタリア遠征も勉強し直さなくては、
・・・イタリア遠征、更新できてないし。