大人とは何かなどと
自問しても明確な答えなど無い
その定義も曖昧でかつ
能力的なものなのか
年齢的なものなのか
またはその両方なのか
もしくは全くの別物なのか
個々人によって
その答えは千差万別だが
一つだけ確かなのは
自覚しようがしまいが関係なく
成人すると
納税の義務を負うのいう事
その問題は
愛とは何かと双璧を成す難題
大人になどは
なりたくないと思いながら
愛とは何かも分からずに
これまで生きて来たのだから
おそらくどちらの答えを
持たずともそう困る事は無い
難しい事からは逃げるに限ると
思い込んでいるのだから
おそらく大人にはなれていないし
愛し方を知らないのだから
誰からも愛される訳も無く時は過ぎ
今に至っている
愛を求めなければ
逃げるだけで大抵の事は
対処出来るのだから
逃げられない問題と
向き合った経験が無い
そんな逃亡人生の成れの果てに
とうとう向き合わなければならない
難題が現れようとしている
親の死だ
まだ死んだ訳じゃない
けれども顔も覚えていない
血縁上の父親の死の知らせが
まったく見覚えのない
自治体からの住民税の請求によって
もたらされた事をきっかけに
とうとう親世代も
そんな年齢となった現実を
まざまざと眼前に晒され
その対処を考えると
気が滅入る事しか思い浮かばず
いくら年齢を重ねても
大人にはなれず
愛された実感すら湧かない
両親や親族達が亡くなる度に
誰かから連絡が来て
葬儀に参列しろなどと言われるのかと
そう思うだけで憂鬱になる
両親が苦手なだけでは無い
血の繋がらない兄とその家族
育ててくれた父親の親族達
とにかくもうその全員が苦手
家族を嫌うと
その関係者である親族達も
当然嫌うのが自然の流れ
幼い時はまだ
お年玉をくれる存在としての
価値があったけれど
今はもう顔すらうろ覚えな
人達に囲まれて
葬儀に出るなどハードルが高過ぎて
越えるどころか
下をくぐりたくて仕方がない
そんな祖父母世代の
親族達の葬儀には呼ばれず
おそらく両親が
上手い事やってくれていたから
何にも関わり合いには
ならずに済んでいたけれど
本人達の葬儀となると
さすがに放っておいてはくれまい
社会不適合者などと
面白おかしく
見ず知らずの人達には
何も気にせずに書き散らかすけれど
親族となると
途端に気が重くなる始末
愛も知らずに大人になると
こうも阿呆なのかと思い知るが
どうすれば良いのかも
分からないから困ったものだ
ただ大人になりきれなくても
納税は出来るからと
父親の住民税の支払いを済ませてから一ヶ月
年金から引き落とせなかったからと
追加の請求書が届き
床に叩きつけた瞬間
やっぱり大人にはなれそうにない事を
一人自室で悟り笑った