2021・1・24 赤城山 雪の北尾根 | 高橋 丈のブログ

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山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

前日はテレビで大雪の予報が何度も放送していました。

しかし、自宅の窓を開けると外は相変わらず雨

夜、心配になって

赤城山の入山口付近まで偵察に出掛け、

雪景色に一安心。

翌朝、

赤城山の景色とは思えないような素晴らしい白銀の世界。

 

入山していきなり急登では・・・

「アイゼンで雪面に蹴り込むようにしてください。」

「登るでのピッケルのピックを前向きにして持ちます。」

そんな解説をしながら、ひと登りこなして雪のヤセ尾根に出ます。

雪は湿気のある重たい雪

枝をくぐると雪が降りかかってきます。積雪は20㎝ほど。

 

既に体は温まっています。

岩場の横をすり抜けますが、

雪により道幅が広く見えるので注意です。

岩を巻くように歩いた後は、ピッケルの打ち込み実動作が始まります。

「雪面が盛り上がった部分は岩ですから打たないように!」

2~3回でしたが・・・

ピックの先に神経を集中させて登り上げました。

 

尾根に戻ると・・・

シャクナゲが寒さに耐えて葉を下にしています。

 

今回は白と黒の世界です。 陽は隠れたままです。

でも、動いて居るので寒くはありません。

こんな尾根が終わると、大きな岩が重なる斜面を登りますが、

ピッケルを打ち込む場所を選定しないと、

石を思いっきり叩いてしまいます。

 

1時間ほど休憩無しで登って来たので、小休止。

 

そしてすぐ、岩場となり左に巻きます。

トラバースでも安定したポジション作りを作って1歩1歩、

一手一手の基本動作で通過します。

緊張する場面では、自然にそんな動作になるんですが、

その動作もシッカリ覚えるように通過しました。

安全のため、この辺からロープを結んでの行動です。

時々はカシャリとやります。

「この状態で足下が滑ったら、どうしますか?」

色々と講習登山的にひとつひとつ確認しながら前に進めます。

 

その後は・・・

沢地形を少し登るのですが、膝が隠れるほどの積雪でした。

雪も湿気があるので、

今回は普段の赤城山とは違い、まるで谷川周辺の雪のようです。

重たい雪でした。

 

 

「どうぞ~!」

沢から尾根にルートを変え、少々急傾斜です。

両手両足を使う、ダカーポジションで一歩一歩登れば安心です。

 

尾根の後の急傾斜の斜面では、ピッケルを打ち込んだり、

前爪を蹴り込んで登る場面が多々あり、

自分で打ち込んだピッケルの安心感を

思う存分感じて居たようでした。

アイスクライミングと基本動作は同じです。

 

目的の山頂で昼食を済ませて、

下山でも同じ場所を下ります。 

山頂では足跡も無く、淋しいものです。

 

こんなピッケル動作が要求される場所が結構あります。

 

少し下ると

ヤブの中とはいえ、立った2mの岩場でも下りはより慎重になります。

 

雪の下から出てきたチョコレートのようなキノコ

 

こんな景色は、ほんの一瞬でした。

 

今回は休憩を入れても往復6時間ほどの短いルートですが、

私もアイゼン蹴り込んで、ピッケルを振り上げ、

思いっきり汗をかいて下山してきました。

参加したお二人が、ピッケルで石を叩いたり、

石の上の苔が凍った状態でも、

その苔の下にある僅かな土に軽く打ち込んでバランスを取ること、

そして、倒木に打ち込んだりしていました。

新しい雪山の世界を感じ

嬉しそうにしていた姿を見ることが出来て良かったです。

 

雪の下にある見えない地面にピッケルを打ち込み

自分の打ち込んだピッケルに体重を預け、体を引き上げる。

その動作を体で思う存分味わって欲しかったんです。

きっと今頃は・・・

部屋でピッケルを振り上げているかも知れません。

 

ザックはビショ濡れでしたが、

沢登りで覚えた防水処理も完璧でした!

1歩1歩、ワンシーズン、ワンシーズンのステップアップですね!

 

 

ps

今日、後輩君がこの威風堂々という曲のサビの部分をトランペットで吹いてくれました。嬉しかったです。