今や西上州のバイブル的な本となった「 藪岩魂 」山と渓谷社の著者である打田鍈一氏は、赤岩岳と大ナゲシの稜線を 静寂鏡 という言葉で表現しています。そんな静寂鏡の2座へ登りました。
稜線へは、群馬県の南牧村の赤岩橋登山口からは2時間以上掛かります。そして転落危険のある沢筋の道で、特に下山時は疲れや注意力散漫による転倒には十分注意が必要と推測されます。
そして
2座の山頂部も岩場が有り、岩慣れしていない人が居る場合は、
ロープによる確保が必要と思う場所です。
そして、登ってみると・・・
やはりこのルートは登山道難路のバリエーションルートだなと
再確認させられます。
掛かる登山時間を考え、下山時刻から逆算して
登山開始時刻を決めます。
7時間以上のコースタイム、
休憩時間を考慮しなければなりません。
1時間ごとに10分休憩したとしても7時間掛かれば6回で60分、
昼食休憩は20分休憩すると想定
7時間のコースタイムでも確実に8時間以上は掛かります。
晩秋の西上州、
谷間の登山口は寒寒々しい場所です。
谷沿いの登山道と言っても、
決して落ちてはいけない場所が多々あり、
登っている最中は、下山のことを時折考えながらの登りでした。
疲れが溜まって居れば、
集中力も低下で足取りも不安定に成ります。
落ち葉の下にある小枝や小石もコロの原理で転倒危険がありです。
時々沢に下りては 対岸へ登ったりするように
色のさめた赤テープが良く見るとあります。
足下には小滝が1本流れています。
「よそ見は危険です、注意してください!」
周辺に展望は無い谷筋
沢は二股に分かれ、
ジッと赤テープを確認します。
そして、また同じ感じの景色となり、
なおも登り続けると、色あせた赤テープは斜面と続き、
尾根に出ます。
単調な日陰の沢沿いの道から尾根に出ると景色も開け
周辺の空の色も再確認できるように気持ちも変わります。
しかし、
「大ナゲシってアレですかね?」 業を煮やして出た言葉のようでした。
「もう少し上に行かないと何とも言えないですね~。」
誰もも話さずにここまで来たわけではないですが
この辺に来れば危険度も減少して、
言葉の1つ二つは自然に出て来ます。
そして樹林の間に姿を現した大ナゲシです。
岩肌はいま一つ分かりにくいです。
そしてやっと赤岩峠です。
急登の登り続けで2時間20分ほど掛かりました。
みんなホッとして自然に小休止となります。
冷たい風が吹いてました。
今年5月には秩父側から安全な道を
1時間少々で登ることが出来たのに、
交通止めは日帰り登山に対して、痛手が大きいです。
すぐ右手は高く聳える赤岩岳です。
ここに来てやっと陽射しの下に来ることが出来ました。
大ナゲシへの稜線では、山頂がだんだんと大きくなって
メインイベントへの期待も高まるところです。
岩場の下にてセルフビレ-(自己確保)です。
嬉しそうなお二人です。
そして見え上げると一直線に伸びているロープ
まずは私が登りロープの状況も確認です。
「どうぞ!」
「のぼりま~す!」
2つほど岩場を登って山頂です。
風も無い山頂
展望も良い場所です。
南には今年5月に登った赤岩尾根
その上には両神山の山頂部も見えます。
西側には西上州の深部
殆んどがヤブ岩山です。
ナメて掛かったらいけません!
どっかり腰を降ろして陽だまりでお昼でした!
嬉しい時間ですね。
今日は日曜ですが、
やはり静寂鏡エリアでは誰ともすれ違いません。
人の気配すら・・・。
さて、時が全く止まってしまったような穏やかな昼食を済ませ、
次なる目標へ向かって下山します。
ロープで確保をすれば、安全も確保され アスレチックのようです。
危険な場所だけではありません。
こんな心暖まる景色もありました。
淡い光と長く伸びた木立の陰
いい感じです。
そして赤岩岳の登り
岩の尾根ではロープを張ったりして登りました。
少しの危険も排除したいです。
山頂からは、
枯れ木の隣に大ナゲシがやや下方に見えてます。
そして下山は・・・
注意しながら下り、小休止をする場所も選定して
無事に西上州の日帰り登山を終了することが出来ました。
6時40分発・下山は15時30分の9時間弱の行動でした。
この山々は夏場は標高が低いため中々登りにくいので、
秋から雪山登山までのほんの2か月少々、
春は雪解けから梅雨時期までの期間が良いかと思います。
秋は日照時間が短いので下山時間が気になります。
春は樹林に葉が出てくると遠見が出来なくなります。
いずれにしても夏と冬の間で楽しめる山と思っています。
ここも、面白い山ですよ!
楽しめます!
私の個人的な思いを綴った長いブログに
お付き合いくださり有り難うございます。
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