2016・8・2~4 北岳・間の岳へ | 高橋 丈のブログ

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山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

今年2回目の北岳・間の岳となりました。
今回は長野県の裾花観光バスのみな様のご案内でした。
天気予報もそこそこと感じての出発であり、広河原の広河原山荘でお昼はカレーでしたが、
更新料が独特で私も含め好評でした。お変わりも可能で有り難いものでした。

エネルギーを十分補給して天気予報に反して尾根道を登り初め、
分岐に差し掛かった所、ポツポツでなく、ザーっと雨が降りだし、一斉に雨具着用でした。
登山開始した時は、下の写真の様子でした。

(北岳の山頂部や八本歯のコルもはっきり見えていました。)


沢コースを登っている人も居たと思いますが、増水など大丈夫かな?
そんな思いでした。
雨具着用して2~3時間の登り、此処はいつも雨具着用している思い出があります。
屈曲点からのトラバース道では雨も上がったようでしたが、雨具着用ままでした。

「発電機の音が聞こえませんか?」
「・・・?」
そんな会話の中、石畳があり山荘が見えホッとする瞬間です。

雨にやられて、テント泊の皆さんもテラスの軒下に避難です。
白根御池小屋はテントの皆さんへ優しいですね。
もちろん、宿泊の人達に乾燥室もあり、水も無料で優しいです。

私達の他にツアー登山隊はクラツ―さんが宿泊されていました。
T添乗員さんの情報によると、明日の午後は雷発生の確率が強いとのこと・・・。
天気予報の「ヤマテン」からの情報で、私達も出発時間を早めることにしました。
稜線での雷は避けなければなりません。
そしたら
知り合いの若い山屋さんが天泊で来ていて、そのままお話しました。


2日目・・・・・・・・・・・・・・
朝4時、無言のストレッチ後出発です。
小屋で寝ている人も居ますので、号令は無く無言でした。

樹林の中ヘッドランプを点灯させて歩きますが、濡れた木の根があり、
滑り易いので気を使います。
(ヘッドランプの予備電池は必携ですね。)
大樺沢二股に出ると、樹林の外のため明るくなってました。
ここでお弁当を半分ほど食べ、早速登りとなります。


天気は上々です。
しかし、午後から雷予報で、ゆっくりと休んでいる訳にはゆきません。

尾根手前では池山吊り尾根の上に富士山も顔を出してます。
今回は長野県のみな様です。群馬と同じで長野の山頂からは、
あのような大きな富士山は見ることが出来ません。
一同足を止めて、カシャリとやって、
足元にはハクサンフウロやハクサンチドリの花が咲いてます。

順調に登ってますが、お1人辛そうな人が居ます。

肩の小屋下の尾根に出ると・・・この雲です。

・・・?

そしてすぐこんな雲に覆われました。

でも雨具着用せず肩の小屋へ到着です。

小屋のベンチでお弁当の残りと行動食を食べることにしました。
じっとしていると少々寒い感じです。

時刻は8時45分です。
まるでお昼頃の感じです。
朝から5時間近く行動しているせいですね。
1時間で山頂、その後1時間半で小屋到着出来るかな~!
そうすれば雷を免れる。

そんな思いでした。

クラツ―さんの隊は肩の小屋で宿泊だそうです。
御池小屋で会ったテントの山屋さんは、天候悪化なら肩の小屋泊まりとするそうです。

15分ほどで出発です。
山頂への急な岩道では・・・大変そうな思いで登っている人も居ました。
「足を止めないでください。」
「ゆっくりでも良いけれど、足を出してください。」・・・そう何度も何度もお願いしました。
先輩から聞いていた、豪雨の惨事の話が思い出されます。
バットレスの下部にて石混じりの豪雨から避難してきたといいます。
此処は稜線んですが、自然に対して人は無力、
何とか避けて山小屋へ雷の前に到着したかったです。

山頂に到着して時計を見ると10時、これなら間に合いそうだ。
寒そうな山頂エリアに見えて雨具を着ましたが、
蒸し暑い雨具は着用したままの登頂となりました。

焦るといけません。
先程から段差を乗り越える時、
膝に震えのようなものが見えていた女性のお客様とロープを繋、アンザイレンをしました。
焦っての下山で転落したら大変です。


山頂からのジグザグの道も終わる頃、
私の気持ちもどこ吹く風
雷鳥の親子に出合いました。

みな様はワイワイ嬉しそう。
ホッとして立ち止まり、気持ちも安らぐことが出来ました。

そのまま北岳山荘へ到着することが出来て良かったです。
山頂から2時間掛りました。

ここなら雷が起こっても安心です。

山小屋って本当に安心ですね。

12時からは小屋で楽しい山談義、
くつろいで過ごす時間は本当に短いもので、
あっという間に過ぎてしまいます。


3日目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日も天候は昨日とほぼ同様っです。
4時出発として、途中で朝食、そして間の岳ピークハント。

昨日辛そうに登って来られた女性のお客様は、
山頂目指さず待機となりました。


暗闇の中を登ります。
そして若干明るく成った頃、
広い休憩適地で朝食を食べながらご来光を待ちます。


でっかい富士山も姿を見せてくれました。
静寂な世界です。

いつ見ても綺麗な形の山ですね!
色んな山がありますが、
富士山は別格ですね。

中白根山頂からは甲斐駒、千丈、槍、中央アルプス、恵那山など360度の展望で、
参加したみな様は大喜びでした。

展望の尾根道は本当に清々しいものでした。



間の岳山頂ではシャッター押しで忙しいほど、あれやこれや。
嬉しい悲鳴です。
腰を下ろす暇もありませんでした。



農鳥岳は遠いですね~。


上の写真左端が農鳥岳、手前の下がったコルに農鳥小屋があります。

そして、もっと遠い、
塩見や赤石、そして聖も見えていました。

帰り道も少し急ぎ気味で下って来ました。

雲一つない快晴です。



トウヤクリンドウも生きいきしてます。


そして山荘で待機して居たお客様に迎えられました。

朝8時です。

山荘にデポしておいたお弁当をぺろりと頂きました。
そして快晴の中、八本歯を下り下山となりました。


2日目に・・・このお客様に対し
何度も何度も
「足を止めずに登ってください。」 ・ 「足を止めないでください。」

と鬼ガイドのように思ったかもしれません。
結果的には雷は発生しませんでした。

辛そうな顔をして大樺沢二股から、肩の小屋。
そして山頂部は我慢して登り続けてくださり。
本当に有難うございました。

今回、間の岳は断念しましたが、いつかきっと登頂されることと思います。


PS
白根御池小屋で休憩中です。


また雨が降って来ました。
でも、雨具の下山もいいものです。

「バンザーイ!」

北岳・間の岳登山隊は成功して、無事下山を果たしました。




今回、八本歯のコルを下る際、
女性お1人をロープでアンザイレンして下山して来ました。
しかし、すぐ後ろの女性のお客様が丸太の梯子最下段から地面に足を着いた時、
小さな石の上に足を置いて、石ゴロの状態となり転倒してしまいました。
丸太の梯子の横桟(手や足を置く横の棒)が少々太いので、男でも握りきれません。

ホームセンターの梯子の横桟(手や足を置く横の棒)位の太さなら、しっかりと握れます。
ここの梯子は太いので、足が滑れば手で耐えることは難しい太さです。

通過の際は、十分に注意して通過してください。