朝、雨音を聞くようにそっと窓へ近付き、窓を開ける。
いつ雨が降って来ても不思議でないような天候でした。
私達全員がそのような心持で赤城山へ出掛ける。
ビジターセンター前の駐車場から、雨具を着て鳥居峠へ歩き始めましたが、20分も歩く頃には雨は止んできました。
鳥居峠から登山道へ入ります。
歩き易いなだらかな道。
こんな自然の現象が有りました。
小石が持ち上がったような状況です。
雨水により石の屋根は残り、それ以外の周囲は流されてこんな形になったのでしょう。
面白いものです。
赤城山も将来は、雨水によって流されてしまうのでしょうか。
自然の観察など楽しみながら、アッと言う間に長七郎山へ到着しました。
苦労して到着した山でなかったせいか、バンザイはやや控えめでした。
早お昼を食べる頃は、空に小さく晴れ間もあったり霧に覆われたりの目まぐるしい天候でした。
丁度いい大きさの平たい石をテーブルとして、その周りに集まって昼食タイム。
雨でなくて良かったです。
テルモスのお湯でコーヒーも飲んで、のんびりした時間を過ごすことが出来ました。
1時間足らずで到着するハイキングも決して捨てたものではありません。
良いこと一杯です。
さて、そろそろ下りましょう。
地蔵岳山頂も見えて来ました。
「あれ~、どっちですか?」
・・・
「ちょっと待ってください。地図を見てみましょう。」
「自分達は長七郎の山頂に居ます。地蔵岳は向こうですから、この下に小沼ですね。」
「地図と地蔵岳と向きを同じにしてみましょう。」
「今自私達は山頂ですから、この辺ですね。」
「地蔵岳の方向を地図と一致させてみると良いでしょう。」
「なるほど~。」
「そうすると~、左ですね。」
半信半疑の様子でしたので・・・ 「決めてください。」
もう一度確かめてから・・・
「やっぱり左です。」
「それでは左に行ってみましょう。」
「ちょっと待ってください!・・・北はどっちの方向でしょうか。」
「・・・?」
「地図の上で北は上ですよね。」
「こっちですか?」
「それでは~、地図の端っこに合わせてコンパスを置いてみましょう。」
「な~るほど!」
「合ってる!」
「不思議?」
「それでは、さっき決めた左に行ってみましょう。」
歩き出してすぐです。
こんなガレ場にも至らない地面が見えている平坦で広い場所が有りました。
「これはなんですか?」
小さなケルンが直線的に繋がっています。
「いったい、出口はどっちでしょうか?」
みなさん右往左往してました。
示す方向を見ると小さな道が林の中へ繋がっています。
「行ってみましょう。」
5Mも進むと、枝がいっぱい出ています。
「ここから先はいけないですね。」
広場まで戻ってきて・・・
「ケモノ道ですね。見てください。」
「鹿や猿などのケモノの身長は腰ぐらいでしょうから、それから上に枝がいっぱい出ています。」
「人が通る登山道ではないですね。今までこんな枝がいっぱいの道は通ったことありませんでしたよね。」
また出口を探します。
「人為的なものを見つけてください。」
「向こうに赤いものが見えますよ。」
「行ってみましょう。」
「カラスがくわえてきて枝に引っかかったものかもしれません。」
「人為的なものですか?」
しっかりと枝に縛ってありました。
「・・・・ということは、人為的なもので・・・、目印につけたものでしょうね。」

後ろを振り返るとケルンが直線的に繋がっていました。
「これはケルンと言って登山道とか方向を教えるためのものです。」
「誰かが積んでくれたのですよ。」
「な~るほど!」
「さっきから・・・出口を何処かどこかと探していましたが、晴れていてもあんなに大変ですから、霧や吹雪では道に迷ってしまいますからね。」
「ふ~ん・・・!」
「有り難いですね~。」
「赤城山にもガイド協会がありますから、その人達が積んでくれたのかも知れません。」
「感謝ですね。」
「は~い。」
赤テープを見つけながら・・・「あった~!」・「安心・安心!」
・
・
・
「ちょっと待ってください!」
地図を広げて・・・
「今どの辺りですか。」
「山頂から左だから~、こっちへ来てますから~。」
「この辺ですよね。」
「小沼へ下るのですから・・・」
「そうですねこのT字路ですね。」
「そうすると、私達が次に見えて来るものは一体なんですかね~。
地図で確認してみましょう。」
「小沼と・・・・。」
「分岐!」
「水門!」
「小沼と分岐と水門がこの先にあれば、今自分達が進んでいる道は間違っていないということですね。」
「それでは・・・行ってみましょう。」
・
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・
「赤テープ発見!」
・
・
・
「小沼だ~分岐も!」
「ちゃんと水門もある!」
「良かったですね~。」
「山って面白いですね。」
ベンチに座って、コーヒーを飲んで、また小休止。
それからは、小沼のほとりを歩き・・・。
小沼駐車場付近へ・・・。
車道を歩いて・・・。
停車した無事たーセンター駐車場へ戻って来ました。
覚満渕を覗いてみると、ミスティな世界。
部分的に赤城の山は秋の気配!
コースタイム2時間ほどのルートでしたが、
雨具を濡らす様な雨も降られず、
のんびりと日帰りハイキングを楽しむことが出来ました。