私の考える勝敗のポイントは2点。
まず、ベルバトフの起用が出来なかったのか。
チチャリート(エルナンデス)を活かすフットボールの戦略ではなかったということ。
ソリッドなショートカウンターではなく、もっとシンプルなフィードによる速攻をユナイテッドは狙って来ていた。
そこに必要な要素は、そのフィードを相手のプレッシャーに負けることなくボールキープ(トラップ)出来るトップの存在。
イブラヒモビッチやドログバといったFWになるかと思うが、現在のユナイテッドではセンターフォワードらしいポストプレーヤーはベルバトフしか思い浮かばない。
更に、サイドには必ず2枚の選手を配置せねばならず、ルーニーはトップ下にいれる為、中盤には二枚の選手になる。
ここに晩年になり運動量には疑問のあるギグスを配置するのも、今回の相手に限ってはミスマッチだった。
今回必要なセントラルミッドフィルダーは「運動量」「ロングフィード能力」「守備能力」だったが、ギグスには当然「運動量」と「守備能力」が足らなかった。
それはそうでしょう、ギグスはサイドプレーヤーとして主にキャリアを過ごしてきたのだから。
その経験と危険察知能力に掛けたと思うが、結果疲労困憊の姿を見るだけとなってしまった。
だからといってここに必要なプレーヤーがいたかといえば、どうかとも思うが。。。
そして、勝負を決したのは、メッシのシンプルなプレーの中の「キック能力」だった。
後半あの場面まで、バルサのパス交換を8枚のボックスでゾーンで守っていたユナイテッドは、最終的な場面では、よく持ちこたえていた。
後半の滑り出しも順調。
モウニーリョがレアル・マドリーで今季やろうとし、インテルではそれを高い次元でしていた、我慢を必要とする大人の守備戦術かと思うが、熟成されたユナイテッドの戦士達はサー・アレックスの指令を堅実に遂行していた。
しかしメッシだった。
ユナイテッドの守備壁の前での何と言う事もないイージーなパス交換。
おそらく両軍、フっと一息入れた瞬間のギアチェンジ。
一人を斜めに交わして、ヴィディッチを盾にして、いつものほとんど助走のないヒザ下だけのバナナシュート。
メッシの特徴であるギアチェンジと「弓を引く必要のない正確で早いシュート(キック能力)」が凝縮されたゴールだった。
トラップして相手を斜めにかわしてシュート。
シンプルなプレーに世界は魅せられた。
あれを見せられては、後半も中盤を迎えたところではガクっとくるのも仕方がない。
中盤を組織して反撃をしようにも、まるで蟻のように湧いて出てくるバルサの選手にユナイテッドはどうすることも出来なかった。
きっとバルサの攻撃陣に対抗するには、先のようなセントラルミッドフィルダーと、高さに強い大巨人センターバックではなく、小回りの効くいわゆるボランチと言われるような守備的な、中盤みたいな機動性重視のセンターバックが、必要なのではないでしょうか。
バルサは十分に凄いが、布陣と配置する選手、そしてメッシという個人のスペシャルキーが決した3-1だったと感じた。
しかしながら、実況・解説は酷いものだった。
今回は地上波を観たが、試合の流れの解説などひとつもない。
せっかく会場であるウェンブリーまで行って、きっと高い位置であろうフィールド全体を観れる放送ブースで実況しているのだろうに、まるで一緒にテレビを観ながら話しているような内容だった。
「バルサは素晴らしい」「相手はボールを獲れない」「世紀のビッグマッチです」。
そんなことは世界中のフットボールファンがしっとるわ!という言葉のオンパレードに、試合自体がどうなっているのかわけがわからなくなる時がありました。
「ボールを獲りに行くといけないんですね、飛び込むとスっとかわされてしまいます」というフレーズをいったい何回聞いたでしょうか。
解説者の方、さぞかし気持ちよかったでしょう(笑)
しかし私には雑音にしか聞こえませんでした。
CS放送のプロの実況・解説の方が非常に恋しくなった試合でした。
放送の最後に優勝したチームがビッグイヤー(優勝カップ)を迫力満点に掲げるCLファイナルの名物シーンを観ずに終わったのも初めて?のことでした。
さすが地上波の民放放送局、大変貴重な経験でしたが、なんだかファイナルが終わった気分になれません(笑)
これで冬のクラブ・ワールドカップで日本に来日するのはFCバルセロナとなりました。
また私の旧職場は忙しくなるのでしょうか

その時期には新たなシーズンが始まっておりますが、両クラブの陣容はどのように変わっているでしょうか。
バルサにはガナーズのセスクがという、ここ2年ぐらいのストーブリーグ定番の話題も出ていますが、常に戦力の充実と安定を図るのは、このようなクラブの宿命。
よく「今のバルサでどこにセスク・ファブレガスを使うんだよ」という声を聴きますが、とても目先のことしか見ていない短絡的な意見です。
これだけはいいこと言ったなあと実況思いましたが、2年前後半ロスタイムに出て時間潰しにしか使われなかったペドロが今回はスタメンで先制ゴール。
今回同じくロスタイムから出てきたオランダの若きアタッカー・アフェライが次の2年後への備えであることは言うまでもないでしょう。
ユナイテッドは更に底上げが必要となるのは必須。
必要なのは中盤のキープレイヤー、新たなる舵取り役でしょう。
そして強力なサイドアタッカーがサイドを制すれば、あとはゴールへの入り口はこちらは3つ、相手は真ん中だけです。
クリスチアーノロナウドの残像が残るオールドトラッフォードに、新たなプレーヤーが来季出現していれば、次はマンチェスターユナイテッドかもしれません。
今年は土曜日でよかった。
来年もどうぞ土曜日のファイナルでひとつプラティニUEFA会長よろしく

(あれ?もう任期近いんだっけ?)
最後にオランダが生んだ偉大なゴールキーパー、マンチェスターユナイテッドの
エドウィン・ファンデルサール。
これを最後に引退。
本当にお疲れ様でした、素晴らしい足技の数々ありがとう




