菅内閣が発足しましたね。
閣僚の顔ぶれをみますと、8人が再任、
ポスト変更で閣内にとどまるのが3人。
新入閣が5人と新鮮さに欠ける陣容になりました。
安倍政権を継承し、新型コロナウイルス対策と社会・経済活動の
両立を挙げ「国民のために働く内閣」を目指す、としています。
確かに経験豊富な人材、ベテランを採用し、この非常事態を
乗り越えようとの意図は感じますが。
コロナを収束し、来年のオリンピックを無事開催、
そして経済を立て直せば長期政権の土台ができそうです。
しかし、この1年実績を残せなければ短期政権となる恐れもあります。
何といっても、菅首相の手腕が問われるところです。
秋の夜長、読書の季節となってきました。
特に今年は、コロナの影響で「飲み会」はずっと自粛。
夜は家で過ごす時間が長くなっています。
ゆっくりと本でも読みますか。
明智左馬助の恋
加藤廣著
上 2010年5月発売
下 2010年5月発売
文春文庫
「信長の棺」・「秀吉の枷」に続く本能寺三部作の完結編です。
「信長の棺」
「秀吉の枷」
戦国時代の最大のミステリー「本能寺の変」を
それぞれ信長の視点、秀吉の視点、
そして「明智左馬助の恋」では明智左馬助の視点で
描かれています。
下巻では明智家が滅亡していく様が描かれ、
左馬助と綸との切ない恋も並行して進み、
「謀反」の代償は余りにも大きなものとなりました。
今から438年前の天正10年6月2日、京都本能寺にて
家臣明智光秀の謀反により織田信長は天下統一まで
あと一歩というところで討たれてしまいました(自害)。
信長が秀吉よりも信頼し頼りにした光秀。
それぞれの価値観の違いによる大きな悲劇が「本能寺の変」です。
織田政権が樹立した暁には、光秀は間違いなく
信長の筆頭補佐官の任に着いただろうし、
朝廷とのパイプもあることから重責を任されたはずです。
従来より謀反の定説として、怨恨説・野望説・単独犯行説・油断説・
黒幕説・偶発説等色々言われてきています。
本能寺三部作で加藤廣氏が描く「本能寺の変」の真相は、
天敵・信長を朝廷側が仕掛けた陰謀を光秀が実行、との仮説から
物語が組み立てられています。
左馬助は13000の兵に向かって、
本能寺で家康を討つのではなく、信長を討つとの方向転換を述べます。
「なぜ、我ら信長を討つのか。それは信長は天朝さまをないがしろにする
朝賊だからじゃ。罪なき民百姓をさいなむ悪鬼だからじゃ。
自らを神とうぬぼれる増上慢だからじゃ」
「それゆえよいか、心せよ。これは決して反逆ではない。
天朝さまへの忠義ぞ。仏法への菩薩業ぞ。民百姓擁護のための正道ぞ。
後ろめいたことは何もないのだ、安堵せよ」
これで大儀は決まりました。
本能寺三部作を読んでみれば、朝廷黒幕説も
仮説から信憑性を持ってきます。
この「本能寺の変」によって日本の歴史が大きく変わったことは
間違いありません。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では「本能寺の変」をどのように
描かれているのか気にかかります。


