読書の春 | MASAのつぶやき

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風に吹かれて根無し草

最近読んだ本です。

 

村上海賊の娘  上巻 下巻

  和田竜著  新潮社刊

  2013年10月発行

    2014年 本屋大賞受賞

 

 

 

正月から読み始め、途中中断、やっと読み終えました。

上巻474ページ 下巻499ページの大作です。

 

信長絡みの戦国時代物という事と海賊の娘が

主人公という事で興味があったんですが。

読んでは中断、また元に戻って読み返し、

少し進んでは、また中断。

その間、他の小説を読み始めたりして中々読めませんでした。

 

読み終えた感想は"疲れた~"の実感です。

 

 

 

 

村上海賊は瀬戸内海の芸予諸島を縄張りとした海賊衆で

島々に城を築き関所を設け、往来する船から帆別銭(通行料)を徴収し

一族の生活・軍備維持を図っていました。

 

 

日本へ布教に訪れたイエズス会宣教師ルイス・フロイスは

著書「日本史」のなかで「日本の海賊で最大なる者」と紹介。

まさしく海賊王と呼ばれる存在でした。

 

 

この小説は来島村上・因島村上・能島村上のなかで

最大勢力の能島村上の当主村上武吉の娘・景(きょう)の物語です。

 

 

 

物語の時代背景は織田信長大坂石山本願寺

(現在の大阪城の辺り)

との10年に及ぶ石山合戦(1570年~1580年)が舞台です。

1575年(天正3年)各所で起こった一向一揆の総本山石山本願寺

門主顕如と信長の間で講和が結ばれます。

しかし、1576年(天正4年)4月再び戦闘再開。

 

天王寺の戦い後本願寺側は完全に包囲され籠城。

そこで毛利軍が海上から食料支援を試みます。

毛利配下の村上海賊(水軍)の登場です。

 

門主顕如を始めとする門徒56000人の命運は

村上海賊に託されることになりました。

そして信長軍との間で木津川合戦が勃発します。

景(きょう)が縦横無尽に大暴れします。

 

 

 

本文より

「じゃが、この景、長じて希代の荒物になったばかりか、

大層な醜女じゃとも聞き及んでござる。

それゆえ、二十歳になったいまでも嫁の貰い手がないそうな」

 

能島村上家当主・村上武吉の娘、景(きょう)姫がこれであった。

長身から伸びた脚と腕は過剰なほど長く、

これもまた長い首には小さな頭がのっていた。

その均整の不具合は、思わず目を留めてしまうほどである。

最も異様なのはその容貌であった。

海風に逆巻く乱髪の下で見え隠れする貌は細く、

鼻梁は鷹のくちばしのごとく鋭く、そして高かった。

その眼はまなじりが裂けたかと思うほど巨大で、眉は両の眼に迫り、

まなじりとともに怒ったように吊り上がっている。

口は大きく、唇は分厚く、不敵に上がった口角は

鬼が微笑んだようであった。

 

 

 

この様に景は当時としては日本人離れした容貌で

言葉遣いも荒く男勝りです。

まあ、現代では魅力的な美人ですが。

 

船上での合戦シーンでも、敵をバッタバッタとなぎ倒し、

首や腕はふっ飛び、胴は真っ二つ。

派手な描写が続きます。

 

 

史実に基づく信長軍と本願寺との合戦。

歴史好きには楽しめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

チューリップとカーネーションが満開になりました