将棋の駒で「歩」という駒があります。歩は他の駒と違い一歩づつしか前に進むことができません。後ろにも下がることはできません。細かいルールは割愛しますが、一般的には一番弱い駒ということになります。この一番弱い駒が一歩づつ前に進むことで、ある条件下になると「と金」に姿を変え、全方向進むことができるようになります。金や銀、飛車や角のように、最初から才能に恵まれてる人はごく一部で、やはり歩のように一歩づつしか前に進むことができない人が圧倒的に多い気がします。

先日、澤円さんのメタ思考という本を読んだのですが、その本になぞらえると、「と金」は自分の能力の一部と考えられます。自身のアイデンティティとは別のところで、面白そうと思えるものをたくさん増やしていく。地道に一歩づつ「と金」を増やしていく。そう考えると人生の深みが変わってくるような気がします。