昨日で3月議会が終わり、来年度の予算についても議会で可決、承認をされました。
私も、市民生活を止めてはならないとの思いから賛成をしましたが、採決の前の討論の際に賛成討論を行い、市長に対して宇陀市の課題を指摘し、改善を求めました。

以下、討論の原稿です。私、勝井太郎は平成23年度一般会計当初予算案に賛成をいたします。

その理由は、市民生活を止めてはいけないという思いから賛成するものであり市長にすべてを白紙委任するものではありません。



今回の予算審査とその後の予算執行にあたり、要望と意見を述べさせて頂きます。


事業シートの導入によって、数字の羅列から事業を探し出す必要は少なくなり、事業の是非や費用対効果についての議論は深まったのではないでしょうか。その点は評価したいと思います。

一方で、款ごとの予算審査はいささか乱暴ではなかったのか、しっかりとした議論をする観点から、改善の必要があるのではないかと感じました。これは、議会として今後議論すべきことであると同時に、しっかりとした説明責任を果たすことを理事者にもお願いをしたい。

また、本来議会に対して説明されなければならない事業がかなり抜け落ちている可能性があると感じています。一例を挙げれば、市役所の基幹システムの更新については偶然の説明がなければ、議会は何もわからないまま賛否を問われることになっていました。

これは、ただのミスではなく、市長並びに理事者に宇陀市の将来のビジョン、宇陀市を取り巻く環境、目指すべき市役所の姿の議論が足りないこと、地方分権への対応が後手になっていることなどが原因であり、市役所に構造的な問題があるのではないかと指摘させて頂きます。

将来の広域連携や、地方分権への備えを考えれば、ただ単なるシステムの更新作業と言うわけではないはずです。クラウドへの参加をするのであれば、近隣自治体への働きかけ、今後の広域連携への方向性を議論されていなければなりません。しっかりとした戦略、計画を立て、行政の情報化、広域連携を進めて頂きたい。このことは9月議会での一般質問で指摘をしたところです。

なによりも、住民サービスの向上や将来への投資という視点よりも、コストを如何にカットするかが最大の価値判断基準になっていることが大きな問題ではないでしょうか。

これらのことから、予算執行にあたっては、そのようなことがなきよう、くれぐれも気をつけて頂きたい。
今後も、委員会の質疑を通じて議論をしていきたいと考えています。



また、奈良県の方針をただただ追認し続けている姿勢についても、改善を求めます。


市長は平成22年度補正予算の中に、「ヒブワクチン接種費用全額助成」「小学生以下入院医療費全額助成」を入れ、明確に子育て家庭への支援を打ち出しました。このことは大変評価をしております。しかし、来年度は入院医療費助成が中学生まで拡大されることは評価をいたしますが、「子宮頸がんワクチン接種助成」は国の基準であれば高校2年生まで助成されるべきところを奈良県の方針、市長会からの申し入れを受け入れて中学3年生までとしました。その他のワクチン接種も今年度は全額助成でしたが、来年度は1割負担を求めます。これも、奈良県、市長会の決定によるものです。
仮に「子宮頸がんワクチン接種」を高校生まで全額助成をしたとしてもかかる予算は1000万円もかかりません。行革の成果を住民に還元することや、子ども達の将来を守ることに使う視点を持って頂きたい。これは、今後の補正予算編成、予算執行の中でも十分に対応可能なことですので、再度の検討をお願いいたします。


中山間地域にある宇陀市が、奈良盆地にある人口規模が数倍の市と横並びで事業を行えば、独自性は全く発揮できなくなります。宇陀市は奈良県の子会社でなければ、下請けでもありません。奈良県が宇陀市の行う独自の補助や、事業を行うことを止める権利はありませんし、そもそも補完性の原則を考えれば、あり得ないことです。
ワクチン接種助成を例に挙げて話をしておりますが、横並びの事例はほかにも見受けられます。宇陀市としての独自性を発揮するために、市長のリーダーシップと決断が求められております。

中山間地域にある市として、奈良県に対してモノを申していく、近隣の市町村に対して、しっかりと働きかけてしていく、人口3万5千人という小さい市だからこそできるきめ細かい住民サービスをしっかりと行っていって頂きたいのです。



市長、副市長、議員といった特別職だけではこのまちの課題を克服することは限りなく難しいでしょう。

新たに企画財政部が誕生をし、地域コミュニティへの徹底的な支援が始まります。まちづくり支援課だけにその責務を背負わせるのではなく、前線で活動をしている職員すべてが地域コミュニティへの支援と協働という思いを持って職務にあたって頂きたい。前線にいる皆さんが誰よりもまちのことを知っているはずです。
新任の企画財政部長は企画を重視して頂きたい。財政面の裏付けは必要ですが、企画は市の全体を見た上で経営方針を出していく司令塔の役割を果たします。その司令塔として企画財政部長は、指導力を発揮して頂きたい。
したがって財政課長は自らが財務部長であるとの気持ちで職務にあたる必要があります。参事職が置かれない以上、そのような覚悟が必要ではないでしょうか。

行政改革のフレームは企画課から総務課へと移管されますが、財政課主導で行われた事業シート導入は来年度も継続されます。行政改革の目標はコストカットではありません。常に改善のサイクルを回すことでスピードを上げ、住民サービスを向上させ、結果としてコストも下がるものです。それを一部は将来のために積み立て、一部は住民に還元をするということを忘れてはなりません。
事業シートによる、執行管理と行政改革の取り組みは変わらずに続けて頂きたいですし、各課が改善のサイクルを絶え間なく回すんだという意識を持って頂きたいのです。

財政運営は、しっかりと基金を積み立て、将来の合併特例消滅後の大幅減収への備えを続けて頂きたいと思います。短期的な視野で負債の減少のみを追うのではなく、しっかりとした運営資金を確保する視点を持つことが必要です。



次に、震災への支援の取り組みについて要望をいたします。
自分さえ良ければではなく、被災地に手をさしのべることを忘れないで頂きたい。こんな田舎の自治体が手を上げても思わずに、同じ日本人として、同じ日本で起こったことのために、私たちがやれること、やるべきことを、やってほしいのです。遠く離れた宇陀でできることなど、それほどないかもしれません。だからこそ、できることからやっていただきたいのです。



最後にもうすぐ、11名の部長が去り、課長も多数が去っていきます。彼らは行財政改革に協力をするという名目で去っていくのです。私たち残るものは、彼らの思いを充分に受け止めなければなりません。彼らが残してくれた人件費の削減分は基金への組み入れなど、今後に生きるものにする必要があるでしょう。

新しく4月より部長、課長になる職員は、不安定な政治情勢の中、市の改革改善に取り組むことになります。
横並びや前例踏襲主義では、地方分権の流れに取り残され、宇陀市はさらなる衰退へと向かうでしょう。新しい部長、課長は自分こそが、宇陀市の市役所を守る最後の砦だというくらいの思いを持って職務にあたって頂きたい。


副市長は時には市長に対して諫言しなければなりません。あなたは私たち議会が同意をし、市のために尽くしてくださいとお願いをした方なのです。ただの市長追認は許されません。部長、課長の数が大きく減り、補職をなくす中で、新しい部長、課長には大きく負担がかかるでしょう。そのフォローが出来るのは、県庁で事務方をしていた副市長を置いてほかありません。事務方トップとしての覚悟と責任を持って頂きたいと思います。

それぞれが刮目し、覚悟を持って職務にあたって頂きたいのです。市長一人にすべてを背負わせるわけにはまいりません。


以上、新しい理事者による市役所運営を期待し、しっかりとしたビジョンのもとで、市役所の運営がなされるように改善を続けることを条件とし、私はこの議案に賛成いたします。以上で賛成討論といたします。