昨日行われました、宇陀市議会第二回定例会において、美榛苑の運営委託先候補が市長より提示されました。


企業について報告を行う前にもう一度、美榛苑が民間委託にいたるまでの過程をおさらいしたいと思います。


今回美榛苑が指定管理制度を用いた民間委託になる一番の理由は、何かを皆さんは御存知でしょうか。

市長が改革を行う方針を出したからではありません。
国の方針によります。



地方公共団体財政健全化法という法律が作られ、自治体や公営企業が財政破綻に至る前に、経営の立て直しを図る仕組みが導入されました。
早期健全化制度といいます。

美榛苑は今、年間約8千万円という巨額の赤字を出しています。(起債の償還を含めると年間約1億2千万の赤字)
赤字が多すぎて、国の経営再建基準に抵触をしてしまったのです。(資金不足比率基準に抵触)一般会計から税金の投入がなければ、とうに倒産をしています。

美榛苑は経営再建計画を立てて、経営の立て直しを図ることが求められました。経営健全化計画は、政府に対して提出をし、許可を得なければなりません。したがって、国の主導のもとで経営再建を行うということです。


その流れの中で、経営健全化計画が策定をされ、美榛苑は指定管理制度を用いて、民間委託となることとなりました。要するに、これ以上直営を行うことは不可能であったわけです。

美榛苑が民間委託になったのは、国の方針よるということです。


そして、4月より公募が始まり、5月に業者選考が行われ、業者決定をいたしました。
市長より、指定管理業者として、示されたのは株式会社休暇村サービスという会社です。

休暇村サービスは、財団法人休暇村の関連団体です。
休暇村は、全国の国立公園や国定公園の中にある宿泊施設。なお、国立公園は環境省が所管をしており、財団法人休暇村には、理事長や理事として環境省の事務次官や幹部職員が天下りしています。


また、議会で私が質問をしたことで明らかになりましたが、昨年、休暇村サービスの社長は、美榛苑に対して経営改革のためのアドバイスを、総務省から委託を受けて行っています。そのアドバイスに従って、指定管理をするのであれば、いったい何のために公募をしたのでしょうか。内部事情に詳しい業者が公募に応募をすれば、委託を受託することは容易ではないでしょうか。


ここまでをまとめます。
今回の指定管理は、もともとは総務省の方針をうけて経営健全化計画を作ったことが発端。
指定管理業者は、総務省から委託を受けて、美榛苑に経営指導をしていた。
指定管理業者は、環境省が天下りのために作った財団法人のファミリー企業。



うがった見方かもしれませんが、最初からすべて決まっていたかのようです。


総務省が、経営健全化計画を立てた公営企業に対して、アドバイザーを派遣する。そのアドバイザーは、環境省所管の財団法人のファミリー企業。そして、アドバイスを受けた公営企業は、そのファミリー企業に委託契約を発注する。


これでは、民営化といっても、名ばかりです。

同じようなことは、全国の公営企業で行われているのでしょう。
市議会議員だから、宇陀市のことだけ考えていたらいいといわれるかもしれませんが、これは明らかにおかしいことです。民間委託と言いながら、国の税金が使われています。総務省も環境省も宇陀市役所もおかしいと思わないのでしょうか。親方日の丸だからと言って、何でもかんでも飛びついてはいけないのです。
こんなことを、全国で行ったら国が潰れてしまいます。


本当に民営化を行うのであれば、志ある民間企業に対して委託をするべきです。東京にいる時、志を持って公営の保養施設の再建に真剣に取り組んでいる企業の社長と意見交換をしました。その方も、行政の横やりによって様々な困難に直面をしていました。企業再生は、行政主導では立ち行きません。

ハコモノ再生のプロにこそ、美榛苑の再生を託すべきです。
天下りのための財団法人に託す必要はありません。

繰り返しますが、こんなことを続けていたら、宇陀市も国も再生などあり得ません。
地方の再生の名のもとに、新しい利権が生まれているということです。



今回の委託先決定において、職員さんは、一生懸命に汗を流されたでしょう。委託が宇陀市の利益につながると信じているでしょう。それは、宇陀市単独では間違っておりません。国に関連しているため、信用度や経営の安定度は群を抜いているでしょう。

でも、サービスの向上に資するでしょうか。今までなら国が守ってくれると言いきれましたが、公益法人改革の流れの中で、財団法人休暇村は末永く存続するでしょうか。


もう一度、考え直すべきです。
このような判断をするために、市長がおり、そして、私たち市議会議員がいるのです。