今回の議会には、さまざまな提案がなされました。
その中には、取り扱いに大変苦慮した案件もありました。


医科大学の移転に対して反対をする意見書、医科大学の誘致を望む請願、まさに正反対の趣旨を持ったものが議会に対して提案をされたのです。


少し、医科大学移転についての経緯を説明します。

橿原にある医科大学は建物が大変老朽化をしており、近い将来に建て替えを行わなければならないと指摘され続けておりました。一方で、妊婦の受け入れ拒否に代表されるように、現状の医療体制の不備も指摘されており、附属病院の機能強化についても議論が行われておりました。

現状では、医科大学、附属病院ともにスペースに余裕がなく、医大の建て替えも附属病院も機能強化についても難しいのです。
そこで、医科大学を今の敷地の外へ移転をさせ、附属病院の機能強化と医科大学の建物の更新を行うというアイディアが生まれたのです。


ただ、その候補地として最初に名前が挙がったのが、生駒市にある高山第二工区であったために、橿原市を含む近隣の市町村からは、大きな反発が起きました。
医大の臨床研修場所としても、附属病院は必要で、医科大学を移転をするということは、附属病院についても、今よりも機能が落ちるのではないかという指摘がなされたり、附属病院を奈良や生駒に新設するのではないかという話まで出てきました。


ただ、中和地域の基幹病院である附属病院を廃止することは、あり得ないとの説明は県庁から聞いておりますので、医大移転=病院の廃止とはつながりません。

医大の移転はどこかで考えなければならないことですが、それがどこに行くのかは、まだ決まっていないということです。また、臨床研修の観点から考えると、病院とセットでなければならないのも、動かしがたい事実です。

今のところは、まだ医大の将来について検討段階だということです。



さて、その中で出された意見書と請願です。
意見書は、橿原市議会など中和地域の市議会で軒並み、提出をされておりました。
医療の質や大学の質を担保せずに、附属病院の将来についても示さずに、ただ移転をするというのは、承服できないとの意見です。

請願は、現在宇陀市が所有をしているに休遊地医大を誘致すべしとの意見です。
ただ、請願には大きな問題も含まれておりました。
まず、一点目は候補地に挙げている休遊地には、産業廃棄物処理場跡地が含まれていることです。
処理場跡を再利用するためには、埋めた廃棄物を再度処理をしなければなりません。その費用は当然宇陀市が負担をしなければなりません。
もう一点は、処理場を含む土地を県に対して売却をするように求めていることです。
交渉のテーブルに着くためには、売却ではなく、無償譲渡もしくは無償貸与が求めれるでしょう。
しかも、候補地は更地ではなく、山林です。その整備についても宇陀市の負担が求められるでしょう。
産廃処理場を再利用するのですから、周辺住民に対する補償や配慮も求められます。

以上、医大誘致には、宇陀市として相当な覚悟が必要であるということです。


それらを踏まえたうえで、宇陀市議会は、意見書については採択を行い可決、請願については、再度の検討が必要とのことで継続審議となされました。


もちろん賛否両論ありますが、議会としては最善の策であったと考えます。
将来負担についての議論をすべて棚上げする、近隣住民への影響を議論をせずに、誘致へと突っ走ることは難しいでしょう。

あらためて、将来の負担と近隣の負担を検証をしたうえで、行動をしていくことがよいでしょう。
政治家として、将来の負担について、住民の負担について議論を行うことは当然のことであります。


これからも、しっかりと議論を続けていきたいと思います。