この一ヶ月、いろんな本を読んでいました。

なかでも感銘を受けたのが田中圭一さんの「うつヌケ」。

吉田豪さんとの対談をふと読んでみたら
なんだかとても気になったのでKindleで購入したところ、
予想以上に心に寄り添ってくれる、優しい本でした。

いろいろな「うつ」を経験した人の症例が出てくるけど、
私自身と似た立場や状況の人が多く、とても共感できました。

読み終えて「うつ」状態から脱する共通項として浮かび上がってきたのは、以下のこと。

・今の苦境からとりあえず逃げる。そして休む。
・過度な責任感は捨てる
・仕事と無関係な「没頭できる何か」に浸る
・誰かに必要とされる
・自己否定ではなく自己肯定。そして自己愛。
・「うつ」は完全に脱せられるものではない。それを知った上で「自分なりのうつとの上手なつきあい方、距離の取り方」を見つける

特に宮内悠介さんの
「うつヌケの要点は、いかに健康的なナルシシズムを取り戻すか。自己愛は悪いことじゃないんです」
というセリフには勇気をもらえました。

それから。
考えてみると驚くことに、先に挙げた共感項の多くって
この何年か自分が普段から意識して実践しようとしてることそのままだったんですよね。

ってことは、自分の今の状態もここでいう「うつ」みたいな状態ということだったのか・・・と気づき、また驚きました。

自分の中では
「いつもの闇」
「いつもの病」
「心の中に巣食う化け物」
という
「いつもの恒常的な心理状況」という捉え方でしたから。
(この本の中では「ステルスうつ」という症状で出ているパターンに近いかも)

でも、考えてみたら、この一年くらいずっと不安定な精神状況で、特にこの数ヵ月は「闇」状態が酷くて、頭から「死」という文字がこびりついてはなれなかったので、振り返ると本当に危ない状況だったのかも。

こういう本に自然と手がのびたのは、何かの「救い」を求めていたのかもしれません。

ダークサイドの穴に落ち込んで抜け出せなくなるんじゃないかという恐怖をこの20年以上いつも抱えていましたが、
この本のおかげでその闇となんとか付き合っていけそうに思えました。