日曜朝、テレビではひっきりなしに津波注意報の情報を流している。
ブラインドランナーの練習コースは河川敷を走るので、少し不安がよぎったが、しばらくすると走っても大丈夫そうだとの連絡が入ったので、いつもの通りに練習会場へ向かう。
フルマラソンの大会まで1週間、
みんなそれぞれ自分なりに考えた調整方法で、距離やペースを決めて走り出していく。
相棒も調子が良くなってきているようで、口ではイマイチとは言うものの、軽快なペースで走る。
少し幅の狭い歩道に差し掛かった時、相棒が少し外側に膨らんで、すぐ横のガードレールに手があたった。
「大丈夫か?」
少しドキッとしたけど、心配はなさそうだった。
大会直前にケガをさせたら一大事だ。
彼に言わせると、今日は反発の強いシューズを履いてきたのだが、跳ねるのはいいけど方向が定まらないとのこと。
視覚で方向を定められない視覚障がい者にとっては結構大変な問題のようだ。
そもそも走り方の癖は人それぞれで、右に、あるいは左に寄りがちに走る人、くねくねと走る人など様々だ。
相棒は体幹もしっかりしていて、比較的まっすぐに走れる人なんだけど、シューズによっては苦労するみたいだ。
それ以外は何事もなく、17kmを走りきる。
途中、すれ違う見知らぬランナーから、「来週は頑張りましょうね」と声をかけられた。
やれることはやりきれたと思う。
後はゴール目指して全力をつくすのみ。
乞うご期待。
終了後の自主練は5kmだけペースラン。
街に交通規制の予告看板が立ち、行きかうランナーも増えてきた。
大会まで1週間、緊張感とワクワク感が入り混じるこの時期が大好きだ。