タイタンキャピタルの金澤幸雄です。

 

今回は、寄付を「する側」ではなく「募る側」のお話をしたいと思います。

 

最近人気の資金調達手段として、クラウドファンディングが人気を集めているのをご存じでしょうか。

クラウドファンディング(crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。インターネットを通じて支援などを呼びかけることで、そのプロジェクトに共感した不特定多数の人から資金の提供のほか、技術の協力などを募るしくみです。

このインターネットを用いたクラウドファンディングの手法自体は1990年代ごろから既に行われていたようですが、当時は広く知られた手法ではありませんでした。しかし今や、途上国支援や防災、商品開発、アーティストの支援、政治運動、ベンチャー企業への出資など、幅広い分野への出資に活用されています。

 

クラウドファンディングの仕組みは、大きく分けて

 

  • 寄付型クラウドファンディング(支援者は金銭的リターンを受け取らない)
  • 投資型クラウドファンディング(出資者が配当という形でリターンを受け取る)
  • 融資型クラウドファンディング(出資者が利子という形でリターンを受け取る)
  • 購入型クラウドファンディング(出資者がモノや何らかの権利という形でリターンを受け取る)

 

の4つがあり、多くは寄付型、購入型に分けられます。

 

先日、コロナ禍で存続の危機にある東京都内5軒の寄席を支援すべく、多くの落語家らが所属する落語協会と落語芸術協会が立ち上げた「寄席支援クラウドファンディング」が行われ、国内伝統文化関連クラウドファンディング市場最高額となる総額1億362万5000円を集めて話題になりました。

 

こういった「伝統文化の発信地である寄席存続の危機を救いたい」などのアイデアを実際に形にしていくうえで直面する最大の課題といえば、資金調達でしょう。

資金調達には

 

  • 金融機関などから融資を受ける
  • 株式を他企業に譲渡し出資を受ける
  • 資本と引き換えにベンチャーキャピタルや個人投資家の出資を受ける
  • 補助金や助成金を受ける
  • 投資寄付を募る

 

など、さまざまな方法があります。

そんな中、最近では資金調達の新たな形として「寄付型クラウドファンディング」もよく目にするようになりました。

 

寄付型クラウドファンディングは、被災地の復興支援や社会的弱者支援など、社会貢献度の高いプロジェクトの場合に有効な手法で、集まった資金の(手数料などを抜いた)全額を使うことができ、支援者に対して金銭的なリターンを提供する必要がないことが特徴です。

 

アイデアの実現や社会的支援の手段として、寄付型クラウドファンディングは非常に有効だと考えます。最近ではクラウドファンディングのサイトもかなり充実していますので、それぞれの夢の実現に向け、資金調達に役立ててみるのも有効かもしれません。

 

金澤幸雄

 

Photo by Antonio Janeski on Unsplash