古屋のチャーム
以前、「おばさんっぽさが魅力のクイーン・アン様式 」のところで触れましたが、おばさんっぽい詳細を数回に分けて紹介させていただきます。といっても何分予算の制約でしょうか、庶民的な我が古屋はそれほどふんだんに装飾されているわけではありませんが。それでも当時の趣味に触れていただけるかと思います。
玄関の観音開きのドアの取っ手です。緑青が吹いていてなかなかの貫禄です。
その取っ手を室内側から見ています。左右の意匠が違いますが、恐らく左側が当初からのもので、右側は代用品の様です。
天井の照明のメダリオンです。今は古い電気のシャンデリアがかかっていますが、元々はガス照明でした。天井裏にはガス管が今も残っています。今後ガス照明について詳しく書こうと思っています。
そのメダリオンですが、近くで見ても、実際何がどうなっているのかわかりません。果物の様なものがブツブツと輪を作っています。西洋梨らしき物と花の茎のようなものが見えます。
ステンドグラスも解読不可能で、というよりむしろ理解する必要すらないのかもしれません。これはこういう図柄でそのまま受け入れるものなのかもしれません。「ハクション大魔王」 に似ていませんか。
そしてキッチンの錫板天井。
バスルームの壁紙は魚、貝殻など模様の壁紙。サイケの入ったいかしたデザインです。この家は1970年ごろに最後の大掛かりな改装をしたようで、この壁紙もその一部です。これはオリジナルでもなく、保存はしないと思いますが、ちょっと変だったのでご紹介してみました。
他にも、建築的要素として窓のケーシングのディテール、幅木のディテール、暖房のラジエーターなど特徴的なものが若干あります。ただし、今後もこの古家のチャームとして残るかどうかは、今回の再生で決められることになります。
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解体 壁を少々
昨日は、ちょっと話がずれましたが、また解体に戻ります。
この古家の一階の玄関を入ると先ずパーラー
という部屋になっています 。(この写真では奥に見えています。)
パーラー といっても喫茶店やパチンコ店ではなく、居間として使われる部屋です。高級なお屋敷では客人をもてなす部屋として使われていたようです。そこにダイニングが隣接していて、アー チウェイで仕切られています。
今回の改良ではこの間仕切りを取り除いて、一つの大きなリビングルームにしてより開放的なレイアウトを可能にしたいと思います。
壁を取り除く前に、先ずこの壁が耐力壁でないことを確認します。壁が上の階の床を支える構造で無く、ただの間仕切りであれば取り除いても、床が落ちてくることが無いからです。
プラスター仕上げはハンマーで何箇所か強く叩いて、亀裂を入れるとボロボロと崩れてとても簡単に
外れます。床に落ちているのがそれ。壁の上部はすでにプラスターが落ちて、下地(Wood lathe)が露出しています。
Latheは小さい釘で間柱(Stud)に留めてあるだけなので、すぐに取り除けます。
上の天井側のほうから外し、床近くまでくると、壁の中に埋もれていたかつての一時代使われていたと思われる、セントラルヒーティングの鉄のダクトが発見されました。この床の下は地下室で、そこに冷暖房の空調機が置かれていたようです。当時はこのダクトを通じて全室冷房か暖房の調整された空気が各部屋に運ばれていた模様。(暖炉に始まるこの家の冷暖房の歴史については、また改めて後日書きます。)
間柱を取り外すとこんな感じの材木の山がすぐにできます。材料をふんだんに使っていたんです。今回、数日間助っ人をしてくれた、アフリカ人のA君です。彼は仕事がきれいで速く、とても助かりました。ありがとね。
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おばさんっぽさが魅力のクイーン・アン様式
近代建築が生まれる直前、19世紀の終わりから1910年頃のアメリカでは、なんとも暢気な建築様式が流行していました。クイーン・アン様式です。クイーン・アン様式
は、建築史の大きいくくりでいうと復古様式の一種となるようなのですが、実際のところはあまり過去の様式を参照しておらず、ある種の折衷様式のように見受けられます。
我が古家があるジャージーシティには、クイーン・アン様式の屋敷が多数存在します。おそらく、工業化により潤った富裕層によって建てられたものではないかと推察されます。
ご近所のクイーン・アンなお宅の写真をご覧下さい。
部分的に上階のほうが張り出ているというのも流行ったようです。
この家はとても豪華なのですが、かなり傷んでいて、安く売りに出ています。誰か買って救ってあげて欲しいです。。。
なんとなく雰囲気をお分かりいただけたでしょうか。
この様式は「よくわかんないけど、ごちゃごちゃしててかわいらしい感じ」とでも言いますか、好きなものをどんどん足していったらこんな感じになっちゃいました的で、遊びの要素が多いです。
それ以前にアメリカで流行していたボザール様式のように、建築を通して権力を誇示するつもりはさらさらなく、かと言ってそれ以降に発生した近代建築のような理想主義的な気難しさもなく、ただ、こんな家に住みたいなぁ、と奥さまが考えそうな家を設計してみました的な、肩の力が抜けた様式と言えます。この様式が、公共建築ではなく、個人住宅に多用されたというのも頷けます。
ごく庶民的な我が古家も、良く見るとどうやらクイーン・アン様式の一種のようです。
大きなポーチがあるという点と、二階の出窓の部分が一階より張り出している点が、クイーン・アン風味となっていますが、装飾が少なく、いささか中途半端な印象です。本当はびしっと決めたかったけど、予算の関係で
あまり頑張れなかった、というところでしょう。
二階の張り出しについては、この古家は木造枠組壁構法 で建てられて、通し柱が必要ないために容易に実現できています。ただ、二階の張り出し部分の床は外に向かって数インチ垂れているのが百年後の現実です。
建築科の学生だった頃は「おばさん臭っ」と嫌っていたクイーン・アン様式なのですが、今になってみると、自分が住む家は、ちょっとおばさんぽいぐらいのほうが心地いいんじゃないかと思えます。ドアの取っ手や、天井の石膏細工など、家のちょっとした気楽な装飾には、愛着を感じたり、癒されたりするものです。
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