― そこは、愛と波動の名を借りた“閉鎖空間”だった ―


【2025年8月、ある女性の匿名ブログ投稿】

タイトル:「私は“麻耶プロジェクト”から逃げました」


わたしは、“愛ある人間”として選ばれ、

「魂の村」と呼ばれる共同生活に参加しました。


そこは最初、とても優しかった。


朝は瞑想。昼は畑作業。夜は焚き火と銀さんの講話。

スマホ禁止。現金使用禁止。


だけど、だんだん“波動の格差”が生まれたんです。



【村のルール(抜粋)】

毎朝5時に“波動チェック”瞑想

反応が薄いと「愛が足りない」と叱責される

無断外出禁止(“波動が乱れる”ため)

“村ポイント”はMAYA COINでのみ管理される

布団、食材、風呂の時間もランクによって差がある

ネガティブな発言をすると“波動ダウン”として“愛ある会議”の対象になる



【証言:逃げ出した“元村人”・さおり(仮名)さん】

(取材形式の構成)


記者

「脱出、というのは具体的にどうされたんですか?」


さおりさん

「夜中に荷物を背負って、農道から走りました。

 “見つかると、また“波動矯正”に連れてかれる”と思って…」


記者

「“波動矯正”とは?」


さおりさん

「閉じたプレハブ小屋で、

 麻耶さんの声の録音がずっと流れるんです。

 “あなたは愛ある人間です”“あなたは従ってますか”って…

 6時間くらい、ずっと。音だけ。照明もつけっぱなしで」



【SNS上の反応】


「いや、これ普通に洗脳やん…」

「完全に“現代の新興スピリチュアル村”やな」

「“波動矯正”って単語がもうヤバすぎる」

「あの麻耶さんが、そんなことを…? 信じたくない」



【一方そのころ、銀の配信(無言の演出)】


銀はこの一連の“告発”に一切反応せず、

いつもの“星空の映像”に乗せて、ただこうテロップを流した。


「真実とは、“波動が受け取ったもの”である。

他人の声に、惑わされないでください。


愛を信じるあなたは、間違っていません。」



【ナレーション】


“愛の名のもとに作られた閉鎖空間”には、

笑顔とやさしさがあふれていた。


だがそれは、

違和感すら“罪”とされる世界でもあった。


出るも地獄、残るも地獄。


彼女は今でも、夢に麻耶の声が響くという。