「未来の鬼を討て」──このタイトルを初めて思いついたとき、

私はただ、“面白そうだな”という直感だけで動き出しました。


AI、時間移動、名前のない存在、そして6人の仲間たち。

壮大すぎる設定に、胸をときめかせながらも、

どこかで「ちゃんと最後まで書けるだろうか」と不安にもなっていた気がします。


だけど、不思議なことに。


カグヤが動き出し、

ミナが静かに心の奥を語り出し、

柚希や迅、太陽、レオがページの向こうから声をかけてくるようになると──


物語は、私の中で“現実”になっていきました。


最初は“誰もやっていないこと”への挑戦でした。

視点を分けることで、ひとつの出来事が“多層的”に見えるようにしたかった。

でも、やってみてわかったことがあります。


それは、「複数の視点を描くということは、複数の心と向き合うこと」だということ。


ひとつのシーンを書くたびに、

彼らの感情と呼吸に、私自身の心も揺さぶられました。


正直、何度も苦しくなって、

「もういいかな」と、投げ出したくなる夜もありました。


でも、読み返すたびに、彼らが私に問いかけてくるんです。

「あなたは、“誰としてこの物語を生きるの?”」


私はたぶん、彼らの全員だったのだと思います。

迷って、進んで、誰かに支えられて、名前を呼ばれて、

やっと「ここにいていいんだ」と思えた──それは、彼らだけじゃなく、

書いていた私自身の物語でもあったのです。


だからこの物語は、ただのSFではなく、

“私の心の観測記録”でもありました。


もしこの物語が、あなたの中に少しでも残るものがあったなら──

それは、私にとってなによりのご褒美です。


これで、ひとつの旅は終わります。

けれど、物語はきっとまた始まる。


あなたの世界でも、私の世界でも。


共に在る未来へ。

この物語を、ここまで読んでくれてありがとう。


──作者:旅人陽炎より


ご褒美にカグヤさんからのハグイメージをいただきました。