インサイダー取引
上場会社の役職員や主要株主など、会社の内部情報にアクセスできる立場にある者(インサイダー)が、一般には公開されていない重要な情報を利用して、自社の株などを売買する行為です。
具体的には、以下のような情報が「重要な情報」に該当します。
- 会社の業績に関する情報: 業績予想の大幅な修正、決算情報など
- 会社の運営に関する情報: 新製品の開発成功・失敗、業務提携、合併・買収(M&A)、増資・減資など
- 株価に影響を与える可能性のある情報: 株式分割、上場廃止決定など
このような未公開の重要情報を知っているインサイダーが、情報公開前に株取引を行うと、一般の投資家は情報を知らないため不利な立場に置かれ、市場の公正性や健全性が損なわれることになります。そのため、インサイダー取引は金融商品取引法で禁止されています。
インサイダー取引の例
- 会社の取締役が、近々発表される業績上方修正の情報を知って、発表前に自社の株を買い増す。
- 子会社の社員が、親会社との合併計画を事前に知り、親会社の株を購入する。
- 取引先の役員から、重要な契約締結の情報を聞いた人が、その情報が公表される前に取引先の株を購入する。
- 会社の経理担当者が、決算で大幅な赤字が出ることを事前に知り、株価が下落する前に保有株を売却する。
- 会社の役員が、未公開の重要な情報を親族や友人に伝え、その親族や友人が情報公開前に株取引を行う。
インサイダー取引の罰則
インサイダー取引を行った場合、刑事罰と行政罰が科される可能性があります。
刑事罰:
- 5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方
- 法人の場合は、5億円以下の罰金
- インサイダー取引によって得た財産は没収または追徴されることがあります。
行政罰:
- 課徴金納付命令:違反行為によって得た利益相当額などを国庫に納付することが命じられます。
また、会社によっては懲戒処分(減給、降格、懲戒解雇など)が科される可能性や、会社の信用を失墜させたとして損害賠償請求を受ける可能性もあります。
インサイダー取引は、たとえ利益を得る目的がなかったとしても、未公開の重要情報を利用して株取引を行った時点で成立する可能性があります。また、損失を回避する目的で売却した場合も同様です。未公開情報を知ってしまった場合でも、情報が公開されるまでは株取引を控えることが重要です。