3-1. レベルI:拡張された宇宙
レベルI:拡張された宇宙とは、宇宙論における多元宇宙の分類の一つで、物理学者マックス・テグマークによって提唱されたものです。これは、私たちの観測可能な宇宙の「外側」に、同じ物理法則と同じ物理定数を持つ領域が無限に広がっているという考え方です。
概要
- インフレーション理論との関連: レベルI多宇宙の概念は、宇宙の初期に急膨張(インフレーション)が起こったとするインフレーション理論と深く結びついています。インフレーションが永遠に続く「永遠のインフレーション」モデルでは、私たちの宇宙(観測可能な宇宙)は、無数の「泡宇宙」の一つとして生成されたと考えられます。
- ハッブル体積: 私たちが観測できる宇宙の範囲は、光速の限界と宇宙の年齢によって決まる「ハッブル体積」に限られています。レベルI多宇宙は、このハッブル体積の外側にも、基本的に同じ性質を持つ宇宙空間が広がっていると考えます。
- 初期条件の多様性: これらの広大な領域では、物質の初期配置が私たちの観測可能な宇宙とは異なる可能性があります。そのため、遠く離れた場所では、私たちとは異なる歴史をたどった宇宙が存在するかもしれません。しかし、基本的な物理法則は同じであるとされます。
- 無限の可能性: 空間が無限に広がっていると仮定すると、あらゆる可能な初期条件の組み合わせがどこかで実現している可能性があります。これは、あなたの「ドッペルゲンガー」がどこかに存在するかもしれない、というSF的な想像をかき立てるものでもあります。
重要なポイント
- レベルI多宇宙は、既存の物理法則の枠内で説明される、最も受け入れられやすい多宇宙の形態の一つと考えられています。
- 観測的に検証することは極めて困難ですが、宇宙マイクロ波背景放射の観測などから、宇宙が広大で平坦であるという証拠は、インフレーション理論、ひいてはレベルI多宇宙の考え方を支持する間接的な証拠とされています。
簡単に言えば、レベルI多宇宙とは、私たちが今いる宇宙と全く同じ法則に従う空間が、私たちの観測範囲をはるかに超えて無限に広がっているという壮大な概念です。
参考資料
Google AI
宇宙理論