36年目の夏はもうスタートしている。角松敏生、場所を由比ヶ浜に移して3年目の、今年もやって参りました音霊OTODAMA SEA STUDIO。

 

 

兼ねてからの予告通り、今年の夏は“SEA BREEZE NIGHT”。しかしフツーに済ませないのが角松敏生。シーブリーズはシーブリーズでも、「本当はこうしたかったSEA BREEZE」。

いや、それって3月に出したSEA BREEZE2016でしょ、本当はこうしたかったアレンジ・・・ではないんだなぁ!

「本当はこうしたかったセトリ」、つまりアルバムのA面の曲順!それから、「本当はこうだったアレンジ」、つまりデビューアルバムとして完成させる際に、大幅にアレンジを変えられた曲があるそうなのだ。その曲を、ほぼオリジナルの原型も原型、ファーストアレンジの状態でプレイしてくれるとのこと。

 

 

SEA BREEZE1曲目のスタート、ギターで始まるイントロは「君を二度と離さない」のイントロにそっくり。どんな曲だか予想もつかないまま数秒後判明したのは「SUMMER BABE」。え?1曲目はダンシャワじゃないんだ・・・。アレンジもオリジナルよりグルーヴィな感じで、曲が終わると同時にノンストップで続くイントロ「スカイハイ」風なこの曲は・・・?正解は「ダンシャワ(Dancing Showeer)」。イントロのみならず、曲全体もスカイハイ風でノリが良く、ダンシャワ度5割増し。2016ver.も良かったけど、この方がDISCOな感じで私は好き。再び間断なく続く3曲目はほぼオリジナル通りのアレンジ「City Nights」。

3曲続けてダンシング&火照った身体をややクールダウンするような4曲目は「Elena」。80年代というよりは70年代を思わせる懐かしい、Mellow&Moodyなアレンジ。イントロでは唐突に「Oh,baby・・・」のセリフでボケ。思わず吹かせる。

 

「絶対こうした方がいいって」

「この方(曲順)がいいでしょ?」

 

待ってました5曲目「Surf Break」。Epoバージョンは客席の「女子」が担当。

 

 夕陽があなたを照らして

 私あなたの腕の中

 “愛してる”言葉さえ

 ここではもういらない

 

この歌詞を、角松さんとハモれる無上の喜びを得た我々「女子」、張り切って声を張り上げるも、角松さんから1つだけ注文が。

 

「いらなーい」、のところで、こうして下さい

 

それは、両手をギュッと握りしめて胸の前で肘をくの字に折り曲げキュッとさせる仕草。表現が難しいが、キョンキョンとか往年のアイドル歌手が多用してたポーズかなぁ。角松さんは、ここはこういう「フリ」をしてるイメージだからと言うのだが、往年のアイドルも今やアラフォーどころかアラフィフだよ?客観的に見ればかなり恥ずかしいポーズじゃないか。しかし2日続けて要求されたので、今夏の角松殿のお戯れはこれか、まぁどうせ角松さんからしか見えないし・・・と観念して、恥も外聞もかなぐり捨てて致しましたよ、そのポーズ。

間奏では「幸せだなぁ・・・」と加山雄三。この日2度目のボケ。

 

6曲目は永遠の定番、角松敏生デビューのきっかけとなった音霊バージョン「Still I'm in Love With You」。いつ何度いかなるシチュエーションで聴いてもいいなぁ。この曲には角松敏生の音楽の全てが凝縮されている。

7曲目はデビュー曲「Yokohama Twilight Time」。このアレンジも、デビュー後数年間、ライブハウスで演奏していた特別なアレンジ。ここから続けて、夏のオンザビーチならではのラインナップ3連発「Beams」(キターーーッッ)「134」「浜辺の歌」。

 

アンコール1曲目「夏休み」。これ、、終盤で歌詞が全部すっ飛ぶという、極めて珍しい貴重なシーンに立ち会うことができた1日目のファンは超ラッキー。暖かい手拍子とギタープレイと笑い声で凌ぎ、角松さんから「ありがとう」のお言葉まで頂きました!

 

「この曲はじめてやったとき、間違えたんだよ。それで、もう一回やったんだよ・・・メッチャ思い出した!」

 

 

「最後もう一回やります。何もなかったかのように~♪(爆笑)」

 

アンコール2曲目「スカイハイ」。角松殿様夏のお戯れ第2段、紙飛行機の「的当て」登場。

3曲目「No End Summer」。夏は終わらない・・・筈が、「音霊ライブを以て今年の夏は終わり」なのが角松スタンダード。涙。

〆のアンコールは、不動の音霊ソング「WAVE」。

 

モアアンコール、1日目は約束通り「夏休み」再プレイ&「夜の蝉」。(終演は条例のギリギリ範囲内8時だった為、翌2日目、神奈川県警のお巡りさんが運営に念を押しに来た場面を見てしまったよ。)

2日目は「夜の蝉」で終わり。蝉のような、儚くも存在を主張するものに人生を重ねてしまうのは、日本人の性なのか。

 

 聞こえるだろう 夜の蝉が鳴いている

 僕はここにいるよと

 力の限り鳴き続けている

 ねぇ 残された時間をただひたすらに生きて

 命の尽きるまで羽ばたくのだと

 

こうして今年の角松の夏は、幕を開けた翌日に終わり往くのであった。涙。

 

セットリスト

 

1.SUMMER BABE

2.Dancing Shower

3.City Nights

4.Elena

5.Surf Break

6.Still I'm in Love With You

7.YOKOHAMA Twilight Time

8.Beams

9.134

10.浜辺の歌

 

11.夏休み

12.Take You To The Sky High

13.No End Summer

14.Wave

 

15.夜の蝉

 

去年は「クマムシ」、今年は「トレエン」。

だけど角松敏生は毎年変わらず不動の音霊レギュラー。しかも2DAYS!

この凄さを理解できるのは、角松ファンだけ。