先日のグランプリファイナル終了後、羽生結弦が本番直前までずっと「ONE OK ROCK」の曲を聴いていた、これがモチベーションを上げる「勝利のルーティンワーク」と報じられていた。私もルーティンを作ろうと、ここ2ヶ月間耳元でヘビロテされているCAPSULEの、とりわけハイテンションな曲をプレイリストに整理した。
なんで角松じゃなくて???って、そりゃぁ全ての角松ソングは自分史に直結してしまっているので、聴けば立ち止まって聞き込んでしまい、最悪、想い出の洪水に立ち尽くしてしまうので、テンションが上がるどころか膝をガックリと折ってしまうから(別に悪いことではない)。
ってことでルーティンワークをさっさとこなしたい多忙な現在、角松の曲はライブまで封印。
代わりにジャドーズや角松インストのドライブの効いた曲をセレクトして聴いていたものの、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅプロデュースの中田ヤスタカの音楽ユニット、CAPSULEに今頃ハマる。
元々、私的偏愛映画のライアーゲームのサントラをヘビロテしていたのだが、この秋サントラに飽き足らなくなり、CAPSULEによるライアーゲーム主題歌“Love or Lies”“Step on The Floor”をDL。そして辿り着いてしまった激ヤバ脳天直撃曲、Starry Sky!脳内をサイバー攻撃されてる感じ?しかも、極めて短い英語の歌詞なのだが、実に実に深い。Starry Skyを聴いていると訳もなく空を見上げたくなる。見上げた空に満天の星が鏤められていたりなんかしたら、溢れ流れる涙で坂本九の歌状態になること請け合い。
これらにライアーゲームのテーマソング、バージョン違いを3連続チューンで繋げば、通勤通学時に異様なテンションを維持しつつ目的地に到着できる。
で、それを勉強時も耳元で鳴らしていれば、凄い勢いで自らに課した課題をこなせるのではないか?これが私の勝利のルーティンだ!
・・・という安易な発想は、甘かった。
確かに、高度かつ過激な心理戦を展開するライアーゲームのテーマソングはいかにも頭脳プレイに適していそうだ。「さぁ、これから頭脳ゲームに勝つぞ!」的な気合いみなぎる音楽。“Love or Lies”“Step on The Floor”だって、恋愛をゲーム・プレイのように感じられる歌詞で、己の五感を完璧にcontrolできそうな錯覚を与える。
ところが実際聴いてやってみると、効果は殆どゼロに近いのだ。記憶力、理解力、集中力全てにおいて低下している気がする。延々聴いていると、むしろトランス状態、無重力。実際、点数も下がってるよ。こんな筈じゃなかった。勉強に取りかかるまでは超ハイテンションなんですよ。なのに、なんで???
これ、最初は良いのだが、ある一点を超えると脳波が「あれ」をやっている時と同じ状態になる。そうそれは「ゲーム」、つまりゲーム脳と同じ脳状態になっている・・・!?ハードコアテクノというジャンルは、全て電子音で奏でられているから、ゲームをやり込んでいる時と同じ脳の部位を刺激されていてもおかしくはないだろう。この説、ゲーマーだった過去を持つ私が言うのだから、そう外れてはいないんじゃないか?
スポーツ前の集中力を高める効果はあるかもしれないが、延々勉強している時に、延々聴き続けるには全く不向きなジャンルなんだなぁ(あくまでも、個人的意見である)。
音楽が人間に作用する力は計り知れないものがある、というお話。
先日、青山のライブハウスで、VOCALAND2のむらかみけいじゅさんと吉田朋代さんによるライブ“勝手にVOCALAND”が開催された。このライブが、中田ヤスタカの音楽とは全く異なる部位の脳を刺激されたのか、心打ち震え涙腺は決壊し歓喜と感動の嵐だったのだ。あ、刺激されたのは「脳」じゃなくて「心」だったのか。
HEAVEN青山は外苑前から神宮球場方面へ向かう途中にある、キャパ60人ほどの小さなライブハウス。
街角そこここにこんな感じにスワローズが占拠。昔、ヤクルトスワローズファンだったんだなぁ。理由は、一番弱かったから(←こういう理由が私には多い)。土橋監督の頃ね。若松、杉浦、八重樫とか。広沢とかブンブン丸とか。オマリー大好きだったその後、悲願の日本一を達成してから「私がファンでいることの役目は終えた」という適当な美名の下にすっぱり足を洗ったっけ。だから今年優勝したということも、この立て札を見て初めて知った。
で、HEAVEN青山があるビルの1階はスワローズグッズショップだったりする。
本題のライブの話に入る前に、VOCALANDについて。
角松敏生音楽活動凍結期の「後期」におけるプロデュースワークの中心が、一つのアルバムコンセプトの下、角松敏生ワン・プロデューサーによる様々なボーカリストの競演・VOCALAND(ボーカランド)。1996年に1が、翌1997年に2がエイベックスよりリリースされている。
残念ながら、CDは入手困難。
VOCALAND/カッティング・エッジ
¥3,146
Amazon.co.jp
”VOCALAND2~メール,フィメール&メロウ”/カッティング・エッジ
¥3,146
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今回は2に参加した「むらかみけいじゅ」(村上圭寿)と「吉田朋代」のボーカリストに加え、1・2双方に参加の「紫藤博子」も広島から駆けつけ、合計3名によるライブ。更に、三顧の礼を尽くして迎えたるは角松バンドで最早重鎮と言えるギタリスト、鈴木英俊!これだけのメンバーを揃えては実に18年ぶりのライブになる。
このライブですね。恵比寿ガーデンホール。私は行っていない(この頃、私は自分の人生の一大イベントの真っ最中だった筈)が、結構周りで「行った!」「良かった!!!」という声を聞く。
ちなみに、この記事。
よく見たら、「短期集中恋愛講座 知りたい!オトナの恋愛」というタイトルで、「オトナの恋愛の伝道師 角松敏生にマコトの恋愛とは何なのかを教えてもらう、というコンセプトの記事だったりする。
音楽雑誌「ザッピィ」のターゲットとなる読者は10代後半~20代だったと思われる。一応、若輩者が「オトナ」な角松サマ(当時37歳)に恋愛指南を教授してもらう、ということらしいが・・・。記事を書いているライターが角松をリスペクトしている事が伝わってきて、今読むとなかなか味わい深い。
「角松サマはあるアーティストに『音楽やるのってとてもツラくて大変なことなんだ。だからできあがった時の感動もスゴイでしょ?』と一言。恋愛も同じコトだといっておられる」
音楽も恋愛も辛い・・・当時の角松さんの置かれた状況を知る者にとっては、大きく肯首してしまうだろう。そしてそれが「本当の感動」に繋がる、と。
「本当の幸せとは不幸と不幸の間にあるフワッとした空間」
とか。
ライトな恋愛指南からドンドン外れて、いきなり死生観も飛び出し、所謂「角松節」へ・・・
「人間は出会いと別れを繰り返していますが、必ず最後は『死』という別れで終わる事になっているんです。それを客観的に分かっていれば、出会いそのものをもっと大事にできるし、好きな相手の存在を素直に感謝できるはず」
恋愛指南の筈が、いつのまにやら哲学の分野に突入。
日本のポップスは、殆どが真剣な恋愛について歌っている、オーディエンスもそれを聴きたがって、それに感動している。
しかし、翌朝になれば忘れて「また感動したい時に聴けばいいかな」と。
僕はそんな音楽の聴かれ方は好きじゃない。僕らの世代には「この曲を聴くとあの時を思い出す」という宝物のような曲があるんですよ。僕は、中学生くらいまで片想いばかりしていて、当時、好きな女の子ができると、その時よく聴いていた曲がその子のテーマソングになるんですよ。だから今その曲を聴くとその女の子のことを思い出すんです。
・・・参りました。「この曲を聴くとあの時を思い出す」聴き方しかできなくなってしまったのは、角松さんから知らずに教え込まれた結果だったとは・・・!
その結果、角松敏生の曲を聴けなくなってしまう(聴けば、あの時を思い出して立ち止まってしまうから)ことになるとは、何たる皮肉。
でもね、今宵は大人のバラードVOCALAND2の世界で「あの時」「あの頃」にとっぷりと浸る覚悟をしたつもりだったが・・・一曲につき「あの時」が複数存在する場合はどうしたらいいんだろうか。つまり、私にとってのVOCALAND2には「リアルタイムで聴いていたあの頃」と、その後「ヘビロテして聴いていたあの時」と、更には「ヘビロテして聴いた今年の9月」の3つのあの時が同時に存在していたのだ。ライブがスタートするまで、その恐ろしい事実に気付かなかったのだ。参ったなぁ。ボーカリストの皆さん済みません、ステージ最前列で一曲目から滂沱の涙を流していた空気の読めない客は私です。クリスマスも近いってことで、ご容赦の程を。いや、ホントに素晴らしいステージだったので。
「勝手に」と銘打っているものの、角松敏生公認(?)で、先日の中野でも直接報告、「VOCALANDを宜しく」と直々のお言葉を頂いたとのこと。しかし、集ったのは20人近いボーカランドの住人のうち、3人で、各々のボーカランドにおける「持ち歌」は1~2曲のみ。どんなライブになるんだろう?との期待は、いい意味で見事に裏切られることになる。(後編へ続く)
なんで角松じゃなくて???って、そりゃぁ全ての角松ソングは自分史に直結してしまっているので、聴けば立ち止まって聞き込んでしまい、最悪、想い出の洪水に立ち尽くしてしまうので、テンションが上がるどころか膝をガックリと折ってしまうから(別に悪いことではない)。
ってことでルーティンワークをさっさとこなしたい多忙な現在、角松の曲はライブまで封印。
代わりにジャドーズや角松インストのドライブの効いた曲をセレクトして聴いていたものの、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅプロデュースの中田ヤスタカの音楽ユニット、CAPSULEに今頃ハマる。
元々、私的偏愛映画のライアーゲームのサントラをヘビロテしていたのだが、この秋サントラに飽き足らなくなり、CAPSULEによるライアーゲーム主題歌“Love or Lies”“Step on The Floor”をDL。そして辿り着いてしまった激ヤバ脳天直撃曲、Starry Sky!脳内をサイバー攻撃されてる感じ?しかも、極めて短い英語の歌詞なのだが、実に実に深い。Starry Skyを聴いていると訳もなく空を見上げたくなる。見上げた空に満天の星が鏤められていたりなんかしたら、溢れ流れる涙で坂本九の歌状態になること請け合い。
これらにライアーゲームのテーマソング、バージョン違いを3連続チューンで繋げば、通勤通学時に異様なテンションを維持しつつ目的地に到着できる。
で、それを勉強時も耳元で鳴らしていれば、凄い勢いで自らに課した課題をこなせるのではないか?これが私の勝利のルーティンだ!
・・・という安易な発想は、甘かった。
確かに、高度かつ過激な心理戦を展開するライアーゲームのテーマソングはいかにも頭脳プレイに適していそうだ。「さぁ、これから頭脳ゲームに勝つぞ!」的な気合いみなぎる音楽。“Love or Lies”“Step on The Floor”だって、恋愛をゲーム・プレイのように感じられる歌詞で、己の五感を完璧にcontrolできそうな錯覚を与える。
ところが実際聴いてやってみると、効果は殆どゼロに近いのだ。記憶力、理解力、集中力全てにおいて低下している気がする。延々聴いていると、むしろトランス状態、無重力。実際、点数も下がってるよ。こんな筈じゃなかった。勉強に取りかかるまでは超ハイテンションなんですよ。なのに、なんで???
これ、最初は良いのだが、ある一点を超えると脳波が「あれ」をやっている時と同じ状態になる。そうそれは「ゲーム」、つまりゲーム脳と同じ脳状態になっている・・・!?ハードコアテクノというジャンルは、全て電子音で奏でられているから、ゲームをやり込んでいる時と同じ脳の部位を刺激されていてもおかしくはないだろう。この説、ゲーマーだった過去を持つ私が言うのだから、そう外れてはいないんじゃないか?
スポーツ前の集中力を高める効果はあるかもしれないが、延々勉強している時に、延々聴き続けるには全く不向きなジャンルなんだなぁ(あくまでも、個人的意見である)。
音楽が人間に作用する力は計り知れないものがある、というお話。
先日、青山のライブハウスで、VOCALAND2のむらかみけいじゅさんと吉田朋代さんによるライブ“勝手にVOCALAND”が開催された。このライブが、中田ヤスタカの音楽とは全く異なる部位の脳を刺激されたのか、心打ち震え涙腺は決壊し歓喜と感動の嵐だったのだ。あ、刺激されたのは「脳」じゃなくて「心」だったのか。
HEAVEN青山は外苑前から神宮球場方面へ向かう途中にある、キャパ60人ほどの小さなライブハウス。
街角そこここにこんな感じにスワローズが占拠。昔、ヤクルトスワローズファンだったんだなぁ。理由は、一番弱かったから(←こういう理由が私には多い)。土橋監督の頃ね。若松、杉浦、八重樫とか。広沢とかブンブン丸とか。オマリー大好きだったその後、悲願の日本一を達成してから「私がファンでいることの役目は終えた」という適当な美名の下にすっぱり足を洗ったっけ。だから今年優勝したということも、この立て札を見て初めて知った。
で、HEAVEN青山があるビルの1階はスワローズグッズショップだったりする。
本題のライブの話に入る前に、VOCALANDについて。
角松敏生音楽活動凍結期の「後期」におけるプロデュースワークの中心が、一つのアルバムコンセプトの下、角松敏生ワン・プロデューサーによる様々なボーカリストの競演・VOCALAND(ボーカランド)。1996年に1が、翌1997年に2がエイベックスよりリリースされている。
残念ながら、CDは入手困難。
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このライブですね。恵比寿ガーデンホール。私は行っていない(この頃、私は自分の人生の一大イベントの真っ最中だった筈)が、結構周りで「行った!」「良かった!!!」という声を聞く。
ちなみに、この記事。
よく見たら、「短期集中恋愛講座 知りたい!オトナの恋愛」というタイトルで、「オトナの恋愛の伝道師 角松敏生にマコトの恋愛とは何なのかを教えてもらう、というコンセプトの記事だったりする。
音楽雑誌「ザッピィ」のターゲットとなる読者は10代後半~20代だったと思われる。一応、若輩者が「オトナ」な角松サマ(当時37歳)に恋愛指南を教授してもらう、ということらしいが・・・。記事を書いているライターが角松をリスペクトしている事が伝わってきて、今読むとなかなか味わい深い。
「角松サマはあるアーティストに『音楽やるのってとてもツラくて大変なことなんだ。だからできあがった時の感動もスゴイでしょ?』と一言。恋愛も同じコトだといっておられる」
音楽も恋愛も辛い・・・当時の角松さんの置かれた状況を知る者にとっては、大きく肯首してしまうだろう。そしてそれが「本当の感動」に繋がる、と。
「本当の幸せとは不幸と不幸の間にあるフワッとした空間」
とか。
ライトな恋愛指南からドンドン外れて、いきなり死生観も飛び出し、所謂「角松節」へ・・・
「人間は出会いと別れを繰り返していますが、必ず最後は『死』という別れで終わる事になっているんです。それを客観的に分かっていれば、出会いそのものをもっと大事にできるし、好きな相手の存在を素直に感謝できるはず」
恋愛指南の筈が、いつのまにやら哲学の分野に突入。
日本のポップスは、殆どが真剣な恋愛について歌っている、オーディエンスもそれを聴きたがって、それに感動している。
しかし、翌朝になれば忘れて「また感動したい時に聴けばいいかな」と。
僕はそんな音楽の聴かれ方は好きじゃない。僕らの世代には「この曲を聴くとあの時を思い出す」という宝物のような曲があるんですよ。僕は、中学生くらいまで片想いばかりしていて、当時、好きな女の子ができると、その時よく聴いていた曲がその子のテーマソングになるんですよ。だから今その曲を聴くとその女の子のことを思い出すんです。
・・・参りました。「この曲を聴くとあの時を思い出す」聴き方しかできなくなってしまったのは、角松さんから知らずに教え込まれた結果だったとは・・・!
その結果、角松敏生の曲を聴けなくなってしまう(聴けば、あの時を思い出して立ち止まってしまうから)ことになるとは、何たる皮肉。
でもね、今宵は大人のバラードVOCALAND2の世界で「あの時」「あの頃」にとっぷりと浸る覚悟をしたつもりだったが・・・一曲につき「あの時」が複数存在する場合はどうしたらいいんだろうか。つまり、私にとってのVOCALAND2には「リアルタイムで聴いていたあの頃」と、その後「ヘビロテして聴いていたあの時」と、更には「ヘビロテして聴いた今年の9月」の3つのあの時が同時に存在していたのだ。ライブがスタートするまで、その恐ろしい事実に気付かなかったのだ。参ったなぁ。ボーカリストの皆さん済みません、ステージ最前列で一曲目から滂沱の涙を流していた空気の読めない客は私です。クリスマスも近いってことで、ご容赦の程を。いや、ホントに素晴らしいステージだったので。
「勝手に」と銘打っているものの、角松敏生公認(?)で、先日の中野でも直接報告、「VOCALANDを宜しく」と直々のお言葉を頂いたとのこと。しかし、集ったのは20人近いボーカランドの住人のうち、3人で、各々のボーカランドにおける「持ち歌」は1~2曲のみ。どんなライブになるんだろう?との期待は、いい意味で見事に裏切られることになる。(後編へ続く)