あれはだいたい、15歳くらいだったかな。

学校へはバスと電車で通っていたのだが、帰りのバスの中で、友達とおしゃべりに興じている最中、「お腹が空いて死にそうになる」ことがありました。

んな大げさな、と思うかも知れませんが、単なる空腹とは違うのです。
どう違うのかと言いますと、詳しく説明すると

①ちょっとお腹が空いたな、と感じる



②元気がみるみるなくなっていく



③しゃべると体力が失われて行くのを、言葉を発する度に実感するようになる。しゃべるのも億劫になる。



④呂律が回らなくなる。動悸が激しくなる。手足が小刻みに震えてくる。



⑤呼吸が荒くなる。息苦しく、呼吸をするのも体力が必要なのだなと実感する。



⑥何も考えられなくなり、ひたすら食料を求めるようになる。



⑦歩けなくなる。



①から⑦まで、大体15分から40分。「お腹空いたな」と思ったと思ったらみるみるうちに動けなくなっていく訳です。

大抵、③あたりで「お腹空いて死にそうだ~」とつぶやき出すので、友達がアメ(ホールズ)とかガムとか何かくれて、それで一時しのぎ、何とか帰宅しては手当たり次第食料を貪ることで、⑦以降は経験せずにいます。

ちなみに⑥の時点では、もう「ハァハァしてる(壇蜜ではない)」だけで、何もしゃべれません。

もう少しほっとくと、


⑧意識を失う



⑨死ぬ



ということになるんだそうです。そう、これは低血糖の症状です。



長年私はこれを、「お腹が空くと死にそうになる病気」と呼んでいました。
ちなみに、35歳の時に、全く同じ症状になる友達(女性)を発見しました。その友達の話では、同じ症状になる人を一人知っている(女性)そうです。
また、「友達の友達(女性)」も全く同じ症状で、「お腹が空いて死にそうになっている」と聞いた事があります。
つまり、この症状になる人を間接関係含め私は少なくとも4人、知っていることになります。


大人になってからも頻繁に生じます。
特に、受験生活に入り、コンビニ食や学食中心になってからは毎日のように、低血糖を起こしてました。

でも今は大概、街中にコンビニはあるし、自販機もあるので、低血糖になっても⑧とか⑨に至る前に何かしら口に入れることができます。

もっとも、こんな失敗もありました。

子どもの保育園のお迎えの時、保育園まで15分ほど歩くのですが、その15分のスタート時点で①お腹がすいたと感じ、保育園に到着時に既に⑦歩けなくなる状態になっており、這うように職員室に行き「なにか、食べるものを・・・お菓子とかありませんか・・・」と物乞いをし、出されたおやつのチョコレートを貪って生きながらえたという恥ずかしい経験は忘れられません。


さて、30年近くこの病気(?)と付き合ってきて、最近、ある条件を充たすと低血糖を起こしやすいということが分かりました。

それは、「食べ過ぎ」それも「炭水化物や糖分」を取り過ぎてから4~5時間後に、低血糖を起こす確率が高いということです。




たとえばこんなメニューの昼食を食べた場合、ほぼ間違いなく夕方には、低血糖で死にそうになります。


・おにぎり3個

・おにぎり2個+大福

・大福のみ

・学食のカレーライス

・学食のカレーライス(大盛り)

・学食のうどん

・学食のそば

・学食のチャーハン

・乳酸菌飲料のみ

・昼食を抜いて、デスクでダラダラと午後ティー(ミルク)を飲み続ける

・デスクで午後ティー(ミルク)とチョコレート菓子を延々食べている


バランス良く献立が考えられている筈の「定食」を食べている場合でも、低血糖になることがあります。そんな時の定食は、やけに大盛りのチャーハンが主食だったり、いかにも栄養素のなさそうなおかずだったりします。

それから、

・きちんとした昼食を取った後、午後ティー片手にチョコレート菓子か大福を延々と食べている場合

稀にですが、

・お昼にバイキングで食べ過ぎた場合

こんな時も、夕方か夜までには低血糖になります。




何年か前の健康診断の時、糖尿病専門のお医者さん(年寄り)に「これは、糖尿病じゃないでしょうか」と聞いたところ、糖尿病は食べた後、血糖値が上がりっぱなしで下がらないものだから、あなたの症状は逆なので、違うんじゃないの、と言われました。

翌年の健診でも同じ事を聞いたら、私は実は糖尿病専門なんです、と先生。そして「あなたと同じ症状の人を知っている。若い女性が多い。初期の糖尿病の可能性がある」と言うではありませんか。
その先生はとても若く、「垢抜けない三浦春馬」といった風情でしたから、私はもう、目をキラキラさせて「ぜひ、先生の診断を受けさせて下さい!」と懇願。

そこで大きな病院に移り、糖尿病診断に用いられる「ブドウ糖負荷試験」を受ける事になりました。


これは、ブドウ糖を大量摂取し、一時間毎の血糖値を測定し、血糖値が正常値まで下がるかどうかテストするものです。
普通、ブドウ糖を大量摂取した後は、血糖値が急激に上がります。
そこで体からインシュリンが分泌され、血糖値を下げます。
普通は2時間後に正常値に戻るのですが、糖尿病の場合は、血糖値が上がったまま戻りにくいのです。
そして普通は長くても3時間後までの数値を測定するのですが、私の場合は、5時間後まで測定することになりました。


結果、ブドウ糖大量摂取後、血糖値が急激に上がり、その後次第に下がっていくところは、正常な推移を示し、糖尿病の推移とは異なりました。
問題は、その後です。
3時間後までは正常だったのですが、4時間後、異変がありました。

血糖値が、下がり続けているのです。

普通は、血糖値が上がった後、膵臓からインシュリンが出て、血糖値が正常値になるまで下げることになります。
4時間後の数値は、正常値よりも更に下がっていました。
普通は、正常値になれば、「もういいよ」と脳に指令が行ってインシュリンの分泌が止まるのです。
私の場合、もう下がってるのにまだ、インシュリンが出続けている。

4時間半後に数値を図ったところ、致死量寸前でした(爆)

この数値を下回れば意識混濁・・・という数字でした。
看護師さんが慌てて私に、ブドウ糖を飲ませた程です。



三浦春馬似の先生曰く、私のこの症状は「反応性低血糖症」というのだそうです。



炭水化物やブドウ糖など、血糖値を急激に上げる食料を摂取すると、インシュリンがすぐに出はじめ、血糖値が下がった頃に分泌が止まるのが正常な反応です。
ところが私の場合、少し遅れてインシュリンが分泌され始め、血糖値が下がっても相変わらず分泌が止まらない。つまり、反応が遅い、ということなんだそうです。


余り症例はないが、やはりなぜか女性に多く、治療法もない。薬もない。

だから、炭水化物や糖分だけでなく、バランス良く食べること、また、揚げ物など油を使った食べ物や、ステーキなどの肉類は、血糖値がダラダラ上がるので、低血糖になりにくいらしい、と言われました。


先生から言われるまでもなく、私の場合は、「長時間食べ物を口に入れることができないが、絶対に低血糖を起こすわけにはいかない場合」は、ウィダーインゼリーの「ENERGY」を何本か飲んでいました。お茶やジュースの代わりにもウィダーインゼリーです。
これで低血糖になったことはありません。


30年経ってようやく診断がつくということもあるんですねぇ。