一年も半分を折り返したところで、久々「ファッション&美容と老い」ネタを。


“VOCE”や“美的”を創刊号から愛読してきたプチ美容オタクな私だったが、何かと忙しく最近は全くついて行けてない。
美容雑誌も、毎月3誌購入&熟読していた時期もあったけど、今はたまに“美ST”を立ち読みする程度。

30歳を過ぎると、ガクっと肌の曲がり角を迎えたのが分かったものだが、40歳を過ぎたら、下りエスカレーターを全速力で転がり落ちているのを実感する。このエスカレーター、どこがボトムなのか、さっぱり分からない。

減りが早くなるアイテム・どんなに忙しくても絶対欠かせないアイテムも、がらりと変わる。
以前は、リップやグロスとか、アイライナーが必須だったもんだ。
今では、何はなくとも下地とアイブロウだ。
マスカラは、エクステという素晴らしい技術によって、ほぼ不要になった。

美容にちょっと疎くなり始めた頃、“BBクリーム”なるアイテムが出現し始めた。
私は普段、かすかにカバー力のあるUV下地。それに、所謂カバー力ある普通の下地を重ねることも。
いつも、下地クリームにUVが入っていればいいのにと思って、美容部員さんに注文を付けていた。
でも、欧米ブランドは、紫外線に無頓着。欧米人が無頓着だから。

で、BBクリームというのは、その下地+UVの両方を完璧に兼ね備えたクリームなのだという。
出始めの頃、サンプルで試したが、仮面を被ったみたいに分厚いテクスチャーに辟易。
いくらカバー力が欲しいとはいえ、日本のこの真夏の季節に、お面を被るのは勘弁である。

今年、ディオールから出たBBクリームは、かなり改良されていた。少しのテクニックは必要だが、薄くのばせば、お面みたいにはならないし、下地としても優秀。
リキッドファンデにUV対策が入っているような付け心地になっている。
あとは色味だけだが、色味も何種類か出ていて、「自分の色」があれば言う事なし。

美容業界の進歩、流石に早いな。

早速1本購入し、付けていた。

数日後、付けようとしたら、中身が出ない。

あれ?

渾身の力を込めてプッシュしたけど、中身が出ない。
数日使わなかっただけで、もう穴が固まって出なくなったのか???
といぶかしく思いながらも、力をこめた。
が、やはりびくともしない。

その朝は急いでいたので、使うのをやめた。


翌朝。
渾身の力を込めてプッシュしたが、やっぱり出ない。
そこで帰宅後、じっくりと攻略しようと思い、
両手で押したり、机の上に置いて体重をかけたり。
あとは、床の上に置いて足で踏んで全体重をかけるしかないというところで、
何だかばかばかしくなってやめた。


更に数日後。
再び取り出す。プッシュする。

あれ?出た。
なんでこないだは出なかったんだろう・・・・?



更に翌朝。
昨日は出たのに、なんと、出ない。

なんで???


そこではたと気付いた。


$あるがままに・・・



このクリーム、キャップを取って、頭を押して中身を出すんである。

なのに、私は、ボディを押して、中身を出そうとしていたんである。
渾身の力をこめて、チューブのボディの方を押していたんである。
そりゃ、出ませんて・・・・




年を取ると、びっくりするような事が自分に起きる。

なんだか、子どもの頃愛読していた

「あたまをつかった小さなおばあさん」

みたいなことしてるな・・・
と、ちょっと笑ってしまった。





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