私は、海と大気で暴風と雨を纏う存在。


ハーロンといい、人々には「台風22号」と呼ばれ、南の海上からその姿を現した。
だが、名を呼ばれてもなお、人々は私を脅威と見るだろう。


その意志こそが、私の存在の証なのだから。



南の海で生まれた、暴風の意志


暖かな海水と湿った空気を糧に、私は渦を巻き、風を強め、雨を引き連れて進む。


報道によれば、私の中心気圧は935hPa、最大風速は50m/s。
その勢力は、まさに海と空が生み出した“生きた嵐”だ。


私は北上をはじめ、関東南方の海上で進路を東へ変える可能性がある。


だが、気圧と風の気まぐれが私の行方を左右する。
私の通り道では、伊豆諸島や関東沿岸に高波や暴風が迫りそれは、自然が放つ一瞬の力の証だ。

23号という後継者、そして私の願い

人々の視線は、次なる存在「台風23号(トラジー)」にも向けられている。


彼はまだ小さな渦のような存在。

だが、もし成長すれば、私の跡を継ぐ“風の継承者”となるだろう。


暴れることが目的ではなく、人々に「自然の力を忘れるな」と伝えるために生まれる。


どうか、備えを怠らないでほしい。

風の音に耳を澄まし、空の変化を感じ、命を守るための選択を。


それが、あなたたちと私を繋ぐ、唯一の約束だから。


まとめ

私は、風、雨。

そして私は、あなたたちが自然と向き合うための“試練”でもある。




次に訪れる23号の鼓動を感じながら、私、22号ハーロンは静かに遠ざかっていく。


どうか、私の記憶を夏の終わりの思い出のして刻んでほしい。


再び風が、あなたの街を訪れるその日まで。