こんにちは。


わたしは、麻の糸から生まれた奈良晒と申します。


はじまりは江戸の昔。
1716年に奈良の地で「中屋喜兵衛」が、わたしを見つけてくれました。


陽の光を受けて白く輝くわたしの肌に、彼は心を打たれ、こう言ったのです。


この布で、人の暮らしを豊かにしたい。


そうして、わたしたちの商いが始まりました。


それが後に中川政七商店と呼ばれることになる物語のはじまりです。
 

 

  “日本の工芸を元気にする”という志

 

わたしは、長い時をかけて、多くの手に触れられてきました。
 

歴史が移り変わる中で、それぞれの時代に合わせて歴代の当主たちはさまざまな改革し、現在の中川政七商店へと繋がりました。


時代が移り、暮らしのかたちが変わっても、日本の手仕事には、変わらぬ力があり、職人の手から生まれる道具、器、布、日用品は単なる“もの”ではなく、人の暮らしに寄り添う相棒のような存在です。

 「日本の工芸を元気にする」ことを志に掲げ、
 全国の職人とともに、伝統を今の暮らしに生かす試みを続けています。

 

 

 

 300年創業から新しい時代へ

 

三百年という時を経て、わたしは多くの風景を見てきました。


東京、岩手、長崎、新潟、そして故郷・奈良。


大日本市博覧会では、各地の工芸や人の手と再び出会い、“つくる”ことの意味を見つめ直しました。


十三代がその名を継ぎ、十四代へと受け継がれた今、商いはひとりの家のものではなく、日本の工芸全体のものになりました。


トップからの声ではなく、一人ひとりの力で前へ進み、その新しい風を、わたしも心地よく感じています。

 

 まとめ

 

布を織る手。茶碗を焼く手。木を削る手。

それぞれの手が紡いできた日本の暮らしのかたち。

 

そのあたたかさを、次の世代へ伝えていくこと。

それこそが、わたしたちの商いの原点です。

 

 

どうぞ、あなたの暮らしの中にも、この手のぬくもりを感じてほしいのです。

 

 

中屋喜兵衛が創業し300周年になった老舗でお待ちしております。