どうも、やる気があるのかないのかわからない中国人留学生に振り回されているかもたです。
こんな状態ですが、明日から新しい学生たちがラボに配属されてきます。
(キャパオーバーという言葉を使うかもしれない最上級生)
ちょっと間が空いてしまいましたが、前回は“薬の効かない菌がいる”というテーマで、薬剤耐性菌(=薬の効かない菌)について簡単な紹介をしました。
今回は、なぜ薬剤耐性菌は出現して問題になるのかというお話。
実は特に何もしなくても、突然変異などで薬の効きにくい細菌が現れることはあります。
ただ、細菌は単細胞生物なので、その体に持てる機能には限界があります。
薬の効かない菌は、生命活動に必要な何かと引き換えにして薬への耐性を身に着けている場合が多く、普通の菌に比べたら弱い個体になります。
そのため、通常時の細菌コミュニティでは、普通の菌たちが多数派となり、薬の効かない変異種は少数派として存在することになります。
しかし、ここで彼らのパワーバランスを崩すものが“抗生物質”です。
何かしらの細菌感染症を発症したとき、細菌コミュニティ内で多数派だった普通の菌たちは、抗生物質により全滅してしまいます。
しかし、薬の効かない菌たちはこの抗生物質による攻撃を生き延び、ライバルのいなくなった体内で一気に増殖して多数派になります。(菌交代症って言うよ)
ヤバイですよね。どう考えてもヤバイですよね。
抗生物質で治ると思っていた感染症が、恐ろしい病気に見えてきました。
ですが、これにはきちんとした予防策があります。
薬の効かない菌(=薬剤耐性菌)と言えど、高濃度の抗生物質を浴びたらさすがに死んでしまう場合がほとんどです。
よく、「症状が治まっても抗生物質は飲みきってくださいね~」とか言われません?
あれはつまり、体内の細菌を根絶やしにしろ!じゃないと耐性菌が出るぞ!ってことなんですね。
これでめでたしめでたし、ということはなく、抗生物質と薬剤耐性菌の話はまだまだ根深い問題があるのですが、その話はまた次回。
じゃあ、またね!
[参考文献]
J. M. Sousa et al. PLoS Biol. 2017, 15 (4), e2001741
※本記事は科学的知見に基づき、薬剤耐性菌の問題について専門知識を持たない方々に説明しようというものです。
決して抗生物質の不使用を推奨するものではありません。
抗生物質の使用を否定する内容の言説に対する根拠として、この記事を使用することはお控えください。