世界的に大きく出遅れていた日本株にようやく修正の動きが広がり、日経平均株価が18日、約5カ月ぶりに1万円を回復した。


 株式市場関係者はピッチが速いとしながらも、目先の上値めどを1万0500円に切り上げるなど年末に向け強気な見方を示す。米金融緩和継続に期待感が強まっているものの、円安基調が続いていることも強気な見通しをサポートする。



 「大台を回復したことで世界の投資家が日本株に注目するきっかけになる可能性がある。グローバルファンドは依然日本株をアンダーウエートにしているが、動きが良くなったこと自体が見直しの材料になり得る。バリューエーション面からみても1万円という水準に違和感はない」――。日興コーディアル証券国際市場分析部ストラテジストの橘田憲和氏は、日経平均1万円回復についてこうみている。そのうえで「短期的な過熱感から揺り戻しの可能性もあるが、1万円近辺の値固めを経て年内に1万0500円程度まで上昇する」と予想する。



 18日の東京株式市場は、午前中は方向感を見極めにくい展開だった。前日の米国株価がまちまちだったことや足元でアジア株の軟調が続いていることを受け堅調ながらも上昇は限定的だった。昼休みに100億円規模のバスケット注文が観測され後場は序盤から上昇基調となり、それまで上値を抑えていた200日移動平均線(9919円69銭=18日現在)を上抜けた。その後も買い基調は変わらず、大引け間際に1万円を回復した。



 大和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所の投資戦略部次長、西村由美氏は「外為市場でドルが84円、85円へと円安が進む過程で1万円を回復するとみていたので、予想よりも早いと思った」と振り返った。バークレイズ・キャピタル証券の株式ストラテジスト、高橋文行氏も「海外の投資家も日本株再評価の流れに乗ってきており、市場が自信をつけてきている。円高にも関わらず、外需企業が主導し、企業業績の改善が想定以上のスピードで進んでいる」とし年末の日経平均株価は1万0500円程度との見通しを改めて示した。



 17日の東京市場にもその「予兆」はあった。日経平均は欧米株安に連動して売りが先行したものの、一巡後は主力株の買い戻しなどで下げ渋り、終盤はプラス圏に切り返した。これまで日本株売り/アジア株買いを進めていた海外ヘッジファンドが逆の動きに転じた影響が顕著に表れた。外為市場でドルが83円台を維持するなど企業の想定レートよりも円安に振れていることから、世界的に余剰気味のマネーが出遅れ感の強い日本株に流入した可能性が指摘されていた。



 18日も金融緩和を背景とした流動性相場から割安感の出ていたトヨタ自動車(7203.T: 株価 , ニュース , レポート )や三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価 , ニュース , レポート )など日本の主力株が買い戻され、相場をけん引した。バークレイズの高橋氏は「市場は円高恐怖症になっていたが、このところ、企業の円高抵抗力が予想以上についていることを確認し、企業が下半期に対して保守的になっていることも認識している。日銀が包括的な金融緩和に動いていることも、マーケットに安心を与えるメッセージを送っている」と指摘する。



 ある大手証券の株式トレーダーは日本株の値動きについて「1万円を回復するにしても、もう少し調整してからでないと年末に向けて失速してしまうのではないか」と話す。しかし、別の大手証券トレーダーは「ピッチが速かった分買い遅れた投資家もかなり多く、達成感で売られてもサポートされる」としたうえで「下げなければ仕方なく上値で買う動きとなるので目先もしっかりではないか」と述べ、なお強気な見方を示している。


(ロイター)