過剰流動性相場の中で日本株に出遅れ感があることや、主要企業が円高対応を進めていることが下支えとなった。今月は、経済面での対中依存度についても聞いたところ「低くすべき」との回答が全体の7割を占め、代わりにインドやベトナムに期待を寄せる回答が多かった。個人投資家としての中国向け投資スタンスは、「元々考えていない」が全体の48%と最も多く、次いで「消極的」が38%となり、「積極的」は14%にとどまった。
調査は、ロイター.CO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者である全国の個人投資家を対象に実施し、482人(男性95%、女性5%)が回答した。年齢層は20代が4%、30代が10%、40代が23%、50代が19%、60代が31%、70代以上が14%。調査期間は11月4日─7日で、世界的な流動性相場の中で日本株の出遅れ感が意識され、調査期間中の日経平均は2日間で400円近く上昇した。
<経済面での対中依存度「低くすべき」、リスク分散を>
経済面での対中依存度については、「低くすべき」との回答が7割で最も多く、次いで「現状維持」が15%、「高めるべき」が11%、「何とも言えない」が4%となった。
対中依存度を経済面において「低くすべき」との回答者は、「中国に限らず1国に依存するのはリスキー」(20代男性)、「生産拠点が中国に集中し過ぎている」(40代男性)、「人件費が上がってきたし、労働争議も懸念材料」(60代男性)、「模造品の多さや政治的リスク」(30代男性)とコメントしており、カントリーリスクの分散化が不可欠とみている。中国の経済成長が進むに伴い、矛盾や諸問題が表面化する可能性があるため「他国へのシフトを徐々に進めるべき」(40代男性)との声も多い。対中依存度を「低くすべき」との回答者に、今後つながりを強めたい国を聞いたところ、1位がインド、2位がベトナム、3位がインドネシアとなった。
一方で、「現状維持」との回答をみると「これ以上リスクを取るべきではないが、撤退は非現実的」(50代男性)、「現状では代わる国がない」(40代男性)、「他国への可能性を探りつつ、当面は現状維持が妥当」(50代男性)との見方が出ていた。
また、対中依存度を「高めるべき」との回答者からは、日本の国内市場が少子化やデフレで縮小する中では「拡大成長を続ける中国市場に積極的に参加すべき」(60代男性)、「中国はもっと発展し豊かな国になる。このような国と交際しなければ日本も豊かになれない」(60代男性)として、上手に付き合っていく必要があるとみている。「何とも言えない」と答えた向きからは「チャイナリスクは回避したいが、中国とは関わらざるを得ない」(40代男性)と複雑な心境も示されていた。
<中国向け投資スタンス、「元々考えていない」が48%>
個人投資家としての中国向け投資スタンスも聞いたところ、「元々考えていない」が全体の48%、次いで「消極的」が38%、「積極的」が14%の順となった。回答をみると「民主化に転換するまで、過大な投資はリスク」(60代男性)、「人件費コストも上昇しており、投資に対する期待リターンが低下してきた」(20代男性)として、取り組みづらいとの声が多かった。
<個人投資家DIは2カ月連続の改善>
日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DIは、弱気ながらも、前月から4ポイント改善した。自動車が前月から12ポイント改善、サービスや金融・保険がそれぞれ10ポイント改善するなど、ほとんどのセクターで改善した。
「強気」との回答をみると「日本株の出遅れ感からしばらくは上昇しそう」(40代男性)との声や、「上期決算で1ドル85円でも戦っていけることが証明された」(20代男性)として、主要企業が円高対応を進めていることがサポート要因となった。
「弱気」と答えた投資家からは、「円高とデフレは根強く、簡単に脱出できそうにない。短期的に弱気」(60代男性)、「米国の追加緩和政策の効果には懐疑的。ドル安由来の円高の流れは当分続く」(50代男性)、「企業の業績自体悪くはないが、景気に反映されない」(40代男性)として、懸念すべき点が多く残るとの見方が出ていた。
「現在、投資したい/投資資金を増やしたい株」(複数回答)では、国際優良銘柄の人気が特に高まった。「現在、投資しようとしている/投資金額を増やそうとしている金融商品」(複数回答)では、外国株式のほか、REIT(不動産投資信託)の人気が高まった。日銀 は資産買入基金によるREITの購入を12月から始めることも影響したとみられる。
「現在、外為証拠金取引(FX)をしているか、もしくは将来やりたいと思っているか」との質問には34%が「はい」、66%が「いいえ」と回答。「はい」との回答は前月から1ポイント低下した。
*ロイター.CO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者は35歳以上の男性が多く、平均年収は約800万円。半数以上が1千万円以上の金融資産を保有している。
今回の回答者の金融資産残高(除く不動産)別構成をみると、500万円未満が22%、500─999万円が19%、1000─1999万円が21%、2000─2999万円が12%、3000─4999万円が12%、5000─9999万円が8%、1億円以上が5%だった。
(ロイター)