大畠章宏経済産業相は22日、ロイターなどのインタビューに応じ、2011年度税制改正で焦点となっている法人税率の引き下げについて、最低でも5%の引き下げは必要との認識を示した。

 

大畠経産相は「来年度に法人税の引き下げを行わないといけないし、EPA(経済連携協定)も踏み込んで、国内のものづくりを継承するための対策が必要だ」と述べた。EPA推進では、課題となる農産物市場の開放に対応するため、農林水産省と経産省の合同の検討チームを設置する方針も明らかにした。


 

大畠経産相は、法人税率の引き下げ幅について、「閣僚には、世界の平均の法人税率は25─30%で、40%程度を維持している日本は10%程度引き下げるべきとの意見もある。ただ、政府の財源も限られているので、最低でも5%程度引き下げるため、関係閣僚に協力いただきたい」と話した。


 

モノやサービスの関税撤廃、引き下げを進める自由貿易協定(FTA)をめぐっては、韓国が、欧州連合(EU)と米国との間でそれぞれ発効に向けた手続きを進めているほか、中国と本格的交渉に向け準備に入った。これに対して日本は、EU、米国、中国といった主要貿易相手国・地域と交渉に入る具体的なめどが立っておらず、遅れが目立っている。FTAや、人の移動や投資ルールなどより幅広い分野の経済関係を強化するEPAを主要国と進めるためには農産物市場開放への対応が最大の課題となる。


 

大畠経産相は「法人減税やEPAなどの対策を整えて、日本メーカーが他国のメーカーに比べて、手かせ足かせをはめられて国内で企業活動する状況を改善したい」と強調。その上で、EPA推進に伴う農業対策については、「農水省と経産省の合同検討チームを作って、EPAに踏みきれる状況にしていきたい」と話した。 


 

<原発輸出は新会社が窓口に> 


 政府は6月に策定した「新成長戦略」で、原子力発電プラントや高速鉄道など世界各地のインフラ商談を日本企業が受注できるよう後押しする政策方針を打ち出した。原発輸出では、ベトナムでのプロジェクト受注をめぐって韓国、フランス、ロシアと日本企業が競合。8月には直嶋正行・前経産相がベトナムを訪問して日本企業に発注するよう呼びかけた。


 

大畠経産相は「(競合する)各国は1社が応札するが、日本の場合、(各社ばらばらに)応札しており、発注側からみるとわかりにくい」と指摘。同経産相は、今後は、日立製作所、東芝、三菱重工業のプラント3社と東京電力など電力3社が設立する「国際原子力開発」が海外での受注活動における窓口になると説明したうえで、「相手側は、その会社(国際原子力開発)と話をすれば建設に関する全ての話ができる態勢が整った。UAE(アラブ首長国連邦)やベトナム(第1期分)の受注失敗の教訓を活かした対策ができた」と述べた。


(ロイター)