23日からの週の東京株式市場は、下振れリスクが意識される一週間となりそうだ。円高に苦しむ株式市場では政府・当局による追加金融緩和など政策への期待感が一層強まる半面、政策が打ち出されても材料出尽くし感から反発力は限定的との指摘もある。

 

 一方、米国では経済指標を通じて、景気回復の減速が一段と鮮明となっている。来週発表の経済指標次第で米国株が下落し、ドル安/円高が進行するとの警戒感がある。一段の円高となれば、日経平均の9000円割れもあるとみられている。 


 

 日経平均の予想レンジは8600円─9500円。


 

 <追加の金融緩和策待ち、材料出尽くしとの声も>


 円高が日本株を直撃している状況下、政府・当局による政策が必要、との声は市場に溢れている。菅直人 首相と白川方明日銀 総裁が23日に会談する方向であることが明らかとなったものの、その後、日程は確定しておらず、市場関係者のいら立ちはつのる。「万が一、会談が行われないとなれば、市場心理としてはハシゴを外された形となる」(国内証券)という。


 

 予定通り会談開催となっても、「何か政策を出して初めて、市場にとってニュートラル」(みずほ証券エクイティ調査部・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)との声も出ており、政策に対しては冷静な見方も少なくない。インベストラスト代表の福永博之氏は、日銀 が追加緩和としてたとえば国債買いなどを打ち出せば為替を含む金融市場に多少のプラスになると指摘する半面、「そこまで踏み込めるかどうかわからない」とみている。


 

 三菱UFJ投信・シニア・ストラテジストの石金淳氏は、株式市場で円高がこれだけ警戒感とともに問題視されるのは、内需が弱いためと指摘。「平時であれば、円高は中長期的に原材料価格の低下につながり、企業にとってプラスとなるはず」とみる。「金融緩和よりも効果があるのは政府による公共事業への投資。民主党 政権がどれだけこの点を認識しているかどうかにかかっている」と述べた。


 

 <9000円割れの後については見方分かれる>


 米株市場や為替によっては、同週の東京市場は9000円割れでスタートする可能性もあるとの見方が少なくない。ただ、9000円を割れた後については見方が分かれている。


 

 インベストラスト代表の福永博之氏は「円高進行などで9000円割れとなる場面もあるかもしれない。ただ、下値では年金など公的資金の買い支えが入るとみている」とする一方、「約2カ月間、9500円以上で推移してきたため、9500円に近づくと短期筋を中心とする戻り売りが待機している。上値も限定的」と予想する。三菱UFJ投信の石金淳氏は「金利低下が著しいが、金利低下は株価にとってサポート要因なので、下値が大きく崩れることもない」の見方だ。


 

 立花証券・執行役員の平野憲一氏は「前週ぐらいから下値では公的資金とみられる買い支えが入るとの観測が出ているが、9000円を割れたときの売りのエネルギーは相当、大きい。一気に崩れる可能性がある」と警戒する。「9000円から下は7000円までフシが見当たらないため、250円きざみでの動きとなるだろう」と述べた。


 

 経済指標のスケジュールでは、米国で24日に週間チェーンストア売上高、週間レッドブック大規模小売店売上高、7月の中古住宅販売、週間消費者信頼感指数、25日に住宅ローン・借換え申請指数、7月の米耐久財受注、7月の新築1戸建て住宅販売、26日に新規失業保険申請件数など目白押しだ。ユーロ圏で23日に8月の製造業PMI速報値、24日に6月の鉱工業受注が発表される。


 

 国内も月末の経済指標発表ラッシュ。25日に7月の企業向けサービス価格指数、7月の貿易統計、27日に7月全国コア消費者物価指数および8月東京都区部コアCPI、7月の有効求人倍率、7月の完全失業率、7月の家計調査の発表が予定されている。


 

 ロイターがまとめた民間調査機関の予測では、7月貿易収支(原数値)の予想中央値は前年比25.4%増の4588億円程度の黒字で、14カ月連続の増加予想となっている。


(ロイター)