年内に円が対ドルで史上最高値(79円75銭)を突破するかを聞いたところ「突破しない」が全体の62.6%だった。一方で「突破する」は37.4%で、その場合は1ドル77円まで円高が進むとの見方が多かったが、70円割れの円高を予想する声は少数派にとどまった。
調査は、ロイター.CO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者である全国の個人投資家を対象に実施し、859人(男性93%、女性7%)が回答した。年齢層は20代が4%、30代が12%、40代が23%、50代が23%、60代が25%、70代以上が13%。調査期間は8月9─12日。この間、日経平均は一時9100円を割れるなど、弱含みで推移した。
<当局の円高対応に期待感、70円割れ予想は少数派>
現状の為替動向について、多くの個人投資家は、景気減速懸念や財政問題を背景に「ユーロ安とドル安が繰り返された結果の消極的な円高」(30代男性)として、ドル安の様相が強いと位置付けている。
年内に円が対ドルで史上最高値を「突破しない」(全体の62.6%)と回答した向きからは、「日本は金融緩和策と為替介入で防衛策を講じる」(70代以上男性)、「日本経済が弱いため円高は一時的」(50代男性)、「日本の財政問題にマーケットの焦点が当たれば早晩円安に傾く」(20代男性)として、消極的な円買いは長続きしないとの見方が出ている。
一方で、最高値を「突破する」(37.4%)と見る向きからは、「政府はもっと円高是正に向けて行動を。民主党 は代表選に全エネルギーを注いでる場合ではない」(50代男性)、「財務省や日銀 など関係者は、相手国などに警戒感を与える発言をして欲しい。正直な発言が多すぎる」(70代以上男性)として現状への不満が強く示されていた。
円は最高値を「突破する」との回答者に、具体的な水準を聞いたところ、最も多かったのが「1ドル77円」(全体の17.0%)、続いて「1ドル74円」(10.8%)、「1ドル71円」(3.5%)となり、70円割れ予想は合計で全体の6.1%と少数派だった。
円高進行が投資行動に及ぼす影響については「変化なし」が42.6%、「外貨資産を積み増す」が31.4%、「外貨資産を塩漬けにする」が16.5%、「円建て資産へのシフト」が7.0%、「外貨資産を損切る」が2.4%だった。
<個人投資家DIは悪化、円高が弱気要因>
日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DIは、4カ月連続で悪化した。業種ごとのDIをみるとIT・ハイテクやサービスの悪化が目立った。
「弱気」と答えた投資家からは「円高が弱気になる最大の原因」(70代以上男性)、「日本の政策が貧弱で適切な円高対策を打っていない。企業は海外で設備投資せざるを得ず、日本での雇用機会は減り、少子高齢化の中、ますます日本の経済力は落ちていく」(60代男性)といった懸念の声が相次いだ。また、ドル安/円高に伴い「主婦なので輸入食品等は安くなってうれしいが、投資家としては不安」(40代女性)との声も出ていた。一方で「強気」と答えた回答をみると「実体経済は多少の踊り場はあるものの中期的に良好」(40代男性)との見通しが示されていた。
「現在、投資したい/投資資金を増やしたい株」(複数回答)では、成長株や割安株の比率が低下した。「現在、投資しようとしている/投資金額を増やそうとしている金融商品」(複数回答)では、国内株式の人気が低下する一方で、円高を反映して、外貨預金の人気が高まった。現在、外為証拠金取引(FX)をしているか、もしくは将来やりたいと思っているか」との質問には38%が「はい」、62%が「いいえ」と回答。「はい」との回答は前月から9ポイントも上昇した。
(ロイター)