東京株式市場で日経平均は続落し、取引序盤に年初来安値(9378円23銭)を割り込んだ。

世界経済 への先行き懸念を背景とする海外の株安を受け、東京市場もほぼ全面安の展開となっている。


 株式市場に関する識者の見方は以下の通り。



●中国当局の対応に注目、日経平均は9000円も



<大和証券キャピタル・マーケッツ 金融証券研究所投資戦略部 部長 高橋和宏氏>


 中国から始まった連鎖的な世界株安を背景に、商品投資顧問業者(CTA)などが債券先物買い・株価指数先物売りの裁定取引を加速させているようだ。国内では特に悪材料は出ていない半面、経済指標など反転のきっかけが見当たらない。



 29日の中国株式市場は大幅続落し、1年2カ月ぶりの安値で引けた。投資家は中国農業銀行[ABC.UL]の大型新規株式公開(IPO)に応募するための資金確保のために株式を売却しているようだが、引き締めスタンスを継続する中国当局が株安の事態を受けて対応に乗り出すかについては、期待しづらいだろう。



 日経平均は直近安値を割り込み、9300円台で推移している。これで売り切ったという見方が大勢となれば買い戻しが入るかもしれないが、今晩以降、世界的な株安が続いた場合、9000円水準まで調整する可能性もあるとみている。



●リーマンショック後の二番底模索も



<コスモ証券本店法人営業部次長 中島肇氏>


 日米とも企業業績は悪くないが、マクロ指標の改善鈍化が嫌気されている。海外勢を中心にリスク資産を削減し、国債などの質へ逃避する動きが止まらない。欧州の銀行の健全性審査(ストレステスト )の結果に対する警戒感も出ている。日経平均は節目の9500円を切ったことでレンジを切り下げた形になった。リーマンショック後の二番底を探る展開もあり得るとみている。

為替が1ドル88円台に入ったことで、日銀 の政策対応が出るのかどうかが焦点になるが、今回は日銀だけでは力不足だろう。政治サイドも含めたデフレ克服に向けた成長戦略が必要になりそうだ。



●7月後半まで日経平均9000―1万円のボックス圏



<日興コーディアル証券 シニアストラテジスト 河田 剛氏>


 前日から中国経済の先行き不透明感や欧州の金融機関への懸念、米景況感への懸念など金融市場を取り巻くすべてのネガティブ要因が意識され、それらが絡み合って東京市場の売りにつながっている。目先は昨年11月安値9076円41銭が下値めどだ。ただ、日経平均株価は年初来安値を更新したものの、下げは想定内にとどまっている。世界経済 が本格的に崩れたというわけではなく、米経済は回復の速度が鈍化したという程度だ。



 欧州金融機関の健全性審査(ストレステスト )の結果が7月の後半に公表される見通しで、そのころには米国や日本の企業決算も明らかになっているだろう。それまでは9000―1万円のボックス圏、その後は9500―1万0500円とみている。


(ロイター)