米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は7日、米経済は自律的回復の途上にあるものの、ギリシャの債務危機が新たな金融混乱を招けば、回復は阻害される可能性があるとの見方を示した。
プロッサー総裁は、米経済の2010─11年の成長率が約3.5%になるとし、雇用の拡大ペースも引き続き強まるとの見通しを示した。
ただ、「見通しへのリスクは最近のギリシャ情勢だ」としてギリシャ債務危機について警告した。
「持続不可能な財政赤字をめぐる懸念でギリシャのソブリン債が格下げされた。ポルトガル・スペインといった、同様の赤字問題を抱える(ユーロ圏)周辺国に影響が拡大する可能性がある」と指摘。「新たに金融市場で混乱が起きれば、米経済の回復が抑制される可能性があり、欧州の情勢を注視している」と述べた。
商工会議所での講演後、質疑に応じた総裁は、ギリシャ問題について、今のところ米国への「大きなリスク」とはみなしていないものの、そうなる可能性がないわけではないとの認識を示した。
プロッサー総裁は6日の米株価急落に言及し「金融市場は再び機能している。労働市場でも心強い兆候がみられ、回復は一段と範囲を広げつつある」と話した。
今回の景気後退は深く、完全な回復には時間がかかるものの、総じて回復は自律的な軌道上にあり、金融・財政措置の刺激効果が薄れても回復は続くとの見方を示した。その上で、回復が根付くにつれ、連邦準備理事会(FRB)は金融刺激措置を解除する必要があると語った。
インフレについては、短期的に抑制された状態が続くとし、大きなデフレリスクも見られないとした。
金融政策の通常化に向け、FRBはバランスシートを縮小する必要があるとの見解を繰り返し、モーゲージ担保証券(MBS)の売却を出口戦略の重要な手段として活用することが好ましいとの考えを示した。
この日発表された4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が4年ぶりの大幅増となる一方、失業率は9.9%に上昇した。
総裁は、失業率が長期的水準に戻るには「ある程度の時間を要する」とし、FRBは失業率が長期的水準に戻るかなり前に刺激策を解除し始めることが必要になると語った。
(ロイター)