出産予定日まで残り1ヶ月という頃、
突然、父から「渡米中止」と題した
メールが届きました。
驚きよりも先に、
「またか……」
という深いため息のような気持ちが
込み上げてきました。
新しい命を迎えるこの時期くらいは
父も変わってくれるのではないか——
そんな淡い期待を抱いてしまった自分が
悲しくて、悔しくて、そして情けなく思えたのです。
メールにはこう書かれていました。
「〇〇(母)の生活状況が悪化したので、
今パスポートを捨てた。
よって渡米は中止とする。
代わりに□□(妹)を行かせる。」
そこから、出産予定日の10日ほど前まで
私は深夜まで起きて時差をまたぎ、
実家の父・母・妹・弟、
そして家族をよく知る方々に助けを求め
ひとりで対応に追われる日々が始まりました。
本来なら、自分の出産に集中したい時期でした。
けれど私は、自分の出産準備よりも
実家の家族の混乱を何とか収めなければという
思いのほうがずっと強かったのです。
お腹は大きく、出産は間近。
それでも実家の混乱に巻き込まれていく——
そんな状況のなか、私がただひとつ願っていたのは、
「どうか、お腹の赤ちゃんが無事に
産まれてきてくれますように。」
それだけでした。
⸻
予定日より1週間早く
赤ちゃんはこの世に生まれてきてくれました。
私が願っていたのは、ただ健康に産まれて
きてくれることだけ。
初めての出産は、夜に陣痛が始まり
そのまま入院。
夜通し起きて、そして朝、
赤ちゃんが産声を上げたのです。
夫婦ふたりで、命の誕生を喜び合いました。
何よりも、無事に産まれてきてくれてありがとう。
ママのストレスを感じてしまっていたかもしれないね、ごめんね、という思いも胸にありました。
⸻
入院は48時間。
日本と違って、アメリカでは入院期間が短いのです。
退院の日、母が空港に到着する予定になっていたため、
夫は母を迎えに空港へ向かいました。
その後に赤ちゃんと私を迎えに病院へ戻ってきて
退院し、赤ちゃんがいる生活をスタートさせました。
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明るい内容ではありませんが、
前向きに回復していくための記録として綴っています。
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